日経新聞によると、日本のエネルギー赤字は、2023年に化石燃料による貿易赤字が26兆円に達し、国富の流出が止まらない状況にあるそうです。
日本貿易振興機構(ジェトロ)の報告によると、2022年における主要7カ国(G7)の化石燃料関連の貿易収支で、赤字額が最も大きかったのは日本であり、その額は30兆円を超えているそうです。一方で、カナダは19.9兆円、米国は3.4兆円の黒字を記録しており、これらの国々は高騰する化石燃料貿易で収益を得ている状況が見られます。
日経新聞は、電再生可能エネルギーの導入拡大や原子力発電所の再稼働を通じた輸入依存の低減が課題としています。原発再稼働に言及していますが、再エネの見直しには言及していません。
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26兆円という金額は、全国民に毎年一人当たり20万円を配ることが可能なほどの大金です。4人家族であれば、毎年80万円に相当します。
エネルギーの調達に円安の影響も大きくなっています。
日本のエネルギーの国産化が重要であることは、言うまでもない当たり前のことですが、日経新聞のようなマスメディアが脱炭素や脱原発といった理想的な議論を続けている間に、日本から巨額の国富が流出してしまったのかという反省は見受けられません。
原子力発電のリスクを理由に、何十兆円もの国富を流出させる余裕はないのではないでしょうか。仮に再稼働すれば、一律給付金として10万円を支給できるような効果が得られます。
先日の敦賀原発2号機の不合格決定により巨額の損失と国富の流出が懸念されています。一方、世界では原子力が再評価され、「2050年までに原子力3倍」が目標となる中、日本はこの潮流に遅れを取っています。
再生可能エネルギー賦課金だけでも年間数兆円が国外に流れてしまっています。
日本は今後「債権を取り崩す国」になっていきます。そのため積極的に投資を呼び込むための国家戦略が必要ですが・・・
しかし、原子力発電所を再稼働しない状況で、データセンターの増設や工場の誘致などは果たして可能なのでしょうか。
火力発電によって消費された何兆円もの国富に対して、日本は何を得られたのでしょうか。結果として、反原発派の自己満足以外には何も得られていないように見えます。