PRESIDENT Onlineで『悠仁さまに東大以外の「有力な選択肢」が浮上…秋篠宮さまご夫妻が頑なに「学習院」を避ける裏事情「悠仁さまは帝王学を受けていない」は真実ではない』という記事を書いた。その内容の一部を加筆して紹介したい。
世論調査では「愛子天皇」への国民の支持が高まっていると言う人がいるが、それは、誤ったフェイクニュースの流布が理由であろう。
私もさまざまな人と話すのだが、愛子さまは東大に入れるほど頭脳明晰でなんでも人並み以上にてきぱきされる方なのに対し、悠仁さまは成績が悪くひ弱いとか思っている人のほうが多い。
だが、これはまったく事実に反する。悠仁さまは、学力・体力・帝王教育など何事につけても人並み以上だし、愛子さまは素晴らしい資質もお持ちだし一生懸命、努力はされているのだろうが、学業・公務のいずれについても普通の形にはなっていない。
神道研究家の高森明勅氏などは、悠仁さまは帝王学を学んでおられないというのだが、伊勢神宮、神武陵、武蔵御陵に初めて参拝されたのは、幼稚園児のときで、愛子さまは中学校に入ってからだ。
沖縄は小学1年、長崎には4年のときにご両親と、広島にも6年生のとき紀子さまと訪問され、平和の尊さを学ばれ慰霊を行っておられる。さらに、中学生の時には上皇陛下のご指示で半藤一利氏から戦争についての講義を受けておられる。
外国の皇室との交流にも熱心で、ご両親とともにブータンを訪問され、国王ご一家と親交を深められた。
11月30日に59歳の誕生日を迎えられた秋篠宮さまの記者会見(11月25日)では、「将来皇位を継承されるお立場である悠仁さまへの期待をお聞かせください」という問いに対し、「一つ一つ自分が関わる仕事を大事に思って、取り組んでほしい」とされ、幼少期からの帝王教育を説明された。また、ご夫妻の記者会見では記事冒頭に触れたように、早い時期に海外留学をすることの重要性を話された。
上皇陛下ご夫妻とは赤坂御用地で頻繁に接触されているし、成年行事以降は、天皇陛下との接触も多くなるだろう。帝王教育の遅れなどない。スポーツにも熱心に取り組まれ身体頑健だし、学業も屈指の進学校である筑波大学附属高校で少なくとも普通のレベルだ。
悠仁さまが成年のとき、宮内庁は、お祝いへの御礼だということで簡単なメッセージを公表した。この内容を、高森氏は20歳で成年したときの愛子さまの記者会見でのお言葉と比べて中身がないと批判する。しかし、愛子さまが成年の前月2019年11月にするべき記者会見を準備ができてないと異例なことに4カ月延期したのち、練りに練ってやっと出されたお言葉とは年齢も意味合いも違うので、比べるべきものでない。
一方、愛子さまが「国民のなかに」という天皇皇后両陛下のお気持ちを実践されていると高森氏は言うが、「国民のなかに」というのは、上皇御夫妻が目指された皇室像であって、いまの両陛下の公務の量は皇后陛下の体調を考慮してのことだが、上皇陛下の時代から激減しているのが現状だ。
国体など地方行幸啓は、原則2泊3日だったのが1泊2日になった(英国訪問でも12回の食事のうち8回はホテルで両陛下だけでされているという状況だ)。
歴代天皇にはそれぞれ哲学がある。昭和天皇は慈愛に満ちた仰ぎ見る君主だった。上皇陛下はストイックで国民の中に入って交流を重ねられた。今上陛下は家庭人としての生活も公務以上に大事にする良き夫であり、父親としてワークrライフバランスが重視される時代のひとつの模範的な姿を示そうとされている。
それはそれで、ひとつの考え方だし、もっとはっきり国民にそういう気持ちをお伝えになればいいと思うのだが、それは「国民とともに」という言葉で特徴付けられる市政というのとは違うのでないか。新型コロナ禍の時も医療現場を訪れて励まそうとか言うのでなく、ご自分たちに会うために人が集まっては迷惑をかけるとしてリモートでの視察などにされた。
いまも、一般国民以上にマスクを着用されていることが多いが、私も含めて、皇室の方々の尊顔を拝見したいと思う国民は多い。
愛子さまは、大学に三年間はほぼ通学ゼロ、四年目もゼミなのだけで一般学生との交流はしないまま卒業された。学業は文科系の科目は大変良くおできになるが、理数系は苦手で欠席されることも多かったし、学習院女子高でも定期試験は受けられないようなこともあった。
単独公務は眞子さま16歳、佳子さまや叔母の清子さまは19歳から開始されたが、23歳の誕生日の直前になってようやく開始された。
両陛下は、こうしたマイペースでのご成長を子育て論として尊重されているが、天皇という仕事は決められた時間に決められたことを余裕をもってすべきものだから、女帝の可能性があるなら、別の教育方針をとられていたのでないか。
皇室の伝統と現在の法律を曲げてでも、愛子天皇待望論の方は、いったいどういう象徴天皇論をお持ちなのだろうか。
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