韓国の国会で、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾を求める議案が可決されました。議案は最大野党が提出し、国会議員の3分の2以上(200票以上)の賛成を得て成立しました。これにより、ユン大統領の職務は停止され、韓悳洙(ハン・ドクス)首相が職務を代行します。
今後180日以内に憲法裁判所が弾劾の妥当性を判断する予定です。大統領の弾劾議案が可決されたのは、2016年の朴槿恵(パク・クネ)元大統領以来のことです。
与党は党として反対を確認しつつも、本会議に出席して投票を行うことを決定しました。
議案可決には、与党「国民の力」から少なくとも8人以上の賛成が必要でしたが、韓国メディアによれば、与党内の複数の議員が賛成に回る可能性が指摘されていました。結果として、賛成204、反対85、棄権3、無効8となりました。与党議員のうち、少なくとも12名が賛成票を投じたと見られています。
最高裁が尹氏の罷免するべきだと判断した場合、尹氏の後任を決めるための大統領選が実施されます。下馬評では2022年大統領選で「反日」強硬派と警戒された李在明氏が最有力候補だと見られています。
李在明氏は約2年前の大統領選では僅差で敗北しており、現在は野党「共に民主党」の代表として影響力を保っています。
彼は韓国の次期大統領になるかもしれない。彼がすべきことは現大統領を弾劾することだけだ。
左派民主党の党首、李在明氏はバーニー・サンダース氏やドナルド・トランプ氏と比較されている。
李氏が率いる共に民主党が中心となり、なぜか1回目の弾劾訴追案には日本を暗に批判する文言が挿入されていました。本日可決された訴追案からは「反日」的な文言が除外されていましたが、李氏の本心はどこにあるのでしょうか?
尹氏は現実主義的な外交で、日米や欧州諸国からも注目を集めていました。
しかし、野党との議会運営をめぐる摩擦により自慢の「現実主義」はどこかに行ってしまったようです。
尹大統領の弾劾によって対日関係が急速に悪化することが心配されます。
韓国は与党でも野党でも混乱は続きそうです。