引き続き津山市を旅しています。津山市は津山城の城下町として発展してきた都市。駅から15分ほど歩いた場所に津山城の跡があります。
城は明治時代の廃城令の際に壊されてもうありませんが、立派な石垣は健在。最大45メートルの高い石垣が街の真ん中に聳え立ちます。城跡は鶴山(かくざん)公園という公園になっていて、春は桜が咲き誇る名所として知られています。私が訪ねた時期は紅葉も綺麗ということで行ってみました。
ちなみに津山はかつて鶴山(つるやま)と呼ばれていましたが中世に入りこの城を築いた森氏入場の際に津山に改名されています。
天守に向かうにはこんな階段を登っていきます。何だかゲームでどこかの要塞を攻略しているかのような気持ちです。
こちらは城のシンボル「備中櫓」。本丸の南面に突き出た石垣の上に建ち眼下を見張ります。平成17年3月に築城400年記念行事の一環として元の絵図をもとに復元されました。
美作にあるのに備中とはいかに、と思いますがこれは鳥取藩主の池田備中守長幸にちなんだもの。もとの津山藩主森忠政と鳥取藩主池田長幸は娘婿の関係であり、長幸が津山を訪ねることになった際に築かれたものです。櫓ではありますが本丸御殿と廊下で繋がり御殿の一部として使用されていたと考えられています。
紅葉は主に備中櫓の下を通って西に歩いた二之丸周辺で見ることができます。鮮やかな色の和傘が紅葉を引き立てていました。
和傘の向こうに津山の街並みを望みます。石垣がかなり高いうえ、柵がないためダイナミックな景色をみることができます。近くまでいくこともできますが足元は要注意です。
今年の紅葉は例年よりもかなり遅く、山間にあるこの町でも11月23日の段階でまだ色づき具合がまちまちでした。ただわたしはこの緑から赤に移り変わるグラデーション、結構好きです。
本丸まで登ってきました。かなり広い空き地になっており周囲を石垣が囲んでいます。その片隅に真っ黄色に色づいた大きなイチョウの木がありました。まわりで写真を撮っている人がいますがその人との対比からこのイチョウの木がいかに大きいかがわかります。
石垣の上から眺めてもこの高さ。上の方の葉が落ちる前だったらもっとボリューム感があるんでしょうね。
本丸でも鮮やかな紅葉を見ることができました。わたくしごとですが今年の秋は出張や、旅行も紅葉の名所とは無関係な場所に行くことが多かったのでここで紅葉を見ることができたのはうれしかったです。
4度目の訪問にして初めて街の中を歩き通しいろいろな場所を巡ってきました。古くは城下町として、その後県北の中心都市として、鉄道の要衝として発展してきた歴史をさまざまな場所で感じ取ることができました。機会を見つけてまた訪ね、今度は湯原や湯郷などの周辺の温泉にも浸りながらこの地方の魅力をもっと感じたいと思いました。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年12月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。