維新の提案した「大学授業料の税負担」と「奨学金の徳政令」が大反響

自民・公明と野党の来年度予算をめぐる協議が並行して進んでいます。中でも国民民主党の「年収の壁」をめぐる交渉が難航する一方で、維新との交渉は早々に決着し、高等教育の無償化を検討することになりました。

国民民主党は大学の無償化には反対しています。

さらに前原共同代表は(貸与型)奨学金の返済を免除する徳政令を提案をして、大反響を呼んでいます。

この記者会見では「2025年4月からの高校授業料無償化」とか「奨学金の返済免除」と明言していますが、その財源はどうするんでしょうか。

徳政令は昨年バイデン政権がやったのですが、連邦最高裁は憲法違反との判決を出しました。

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予算編成の時期のバラマキは年中行事ですが、今年は政権が少数与党になったため、与野党入り乱れてのバラマキ合戦に発展しました。必要な予算は大学無償化だけでも3.8兆円、高校まで全面無償化するには約10兆円といわれ、向こう10年で100兆円以上の財政赤字が発生するでしょう。

社会保障支出が向こう15年で50兆円増える日本でこんな大盤振る舞いをやったら、政府債務はさらにふくらみます。外国為替市場では、それを見越して円安が進行しています。このままでは1ドル=160円を超え、物価が上がってインフレ税がかかります。

インフレ税は必ずしも悪いことではなく、高齢者の貯め込んでいる金融資産を減価させ、年金を実質的に減額するなど、資産を再分配する効果もあります。国際競争力の落ちた国の通貨が減価するのは自然なことで、それをどうチャンスに変えるかを考える必要があります。