初冬だけど秋色に染まった宮崎県・高千穂峡を歩いた日

宮崎県の最北、延岡市に来ました。延岡駅には夜到着。駅は最近リニューアルされ、蔦屋書店などが入りスタイリッシュで神々しく輝いていました。延岡市の倍人口がいる私の故郷、愛知県A市の代表駅に比べて3000倍美しく羨ましい限りです。この日は駅近くのホテルに投宿。延岡は旭化成の企業城下町ということもあってかホテルがとても充実しています。

翌朝、そんなすばらしい駅のある延岡で車を借りドライブに出かけました。今回の旅の目的は高千穂峡。旅をしたのが12月上旬ということもあり、もう紅葉は終わっているだろうなと思っていたのですが、今年は記録的に紅葉の時期が遅く運良く見ごろに訪問することができました。初冬の山中ということもあって空気は凛として冷たく感じます。ただ風はなく穏やかで峡谷を歩くにはちょうどいいくらいの気候でした。

高千穂峡は宮崎県五ヶ瀬町に端を発する五ヶ瀬川が阿蘇山の火砕流を侵食させることで形成された峡谷です。東西7キロにわたり切り立った崖が続き、底を五ヶ瀬川が流れていきます。その景観自体とても美しいものなのですが、中でも有名な観光スポットが真名井の滝でしょう。

お茶のCMなどでも取り上げられているので、高千穂に行ったことがなくても見たことがあるという人は多いでしょう。滝の真下までボートで行くことができるのも特徴で、この日も多くの方が滝の傍でボートを漕いでいました。滝を下から見上げる情景も圧巻なんでしょうが、近づきすぎると水をかぶることになるので要注意です。

あと、ぶつからないように気をつけて!!

滝から少し離れたところに岩が縦に割れている場所があります。これが柱状節理と呼ばれるもので、阿蘇山の火砕流が長い年月をかけて冷えて柱状になったものです。

峡谷は切り立った崖といいましたがこのように比較的高低差がない場所もあり、澄んだ水が勢いよく流れていく様子を間近で見ることができます。

とはいえ、片面は崖なんですけどね。右手の崖は「仙人の屏風岩」と呼ばれる景勝地。こちらも阿蘇山の溶岩が削られてできた柱状節理で形成されています。

岩場の木々は赤く染まっていて初冬でしたがまだまだ見ごろ。楽しい峡谷散歩となりました。

向こうに新旧三本の橋が見えてきました。一番低い場所にあるのがコンクリートと石で作られた神橋。その上に架かるのが高千穂大橋で平成15年に完成したその奥にある白い橋が神都高千穂大橋です。三本のアーチ橋が一堂に見られるというのはなかなか珍しい場所ではないでしょうか。

三橋の中でも最も古い神橋。

神橋から望む峡谷美。

高千穂峡の入り口まで戻りました。高千穂は九州の山深い場所にありますが、それでも真名井の滝やこの紅葉を見ようと多くの観光客が押し寄せていました。今は静かな冬を迎えたことと思いますが、春は深緑も見事と聞きます。また季節を変えて神秘的な真名井の滝や峡谷美を見にこの地を訪ねてみたいと思いました。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年12月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。