高尾山初参り:凶みくじの直後に…

1月1日から3日間「連続で」有効の青春18きっぷを使って旅をしています。

1月2日は静岡駅から東へ、そしてやや北へと電車を乗り継ぎ、

一部京王線に乗って高尾山口にやってきました。目的地は高尾山上にある薬王院。旅好きなのに、5年間も東京に住んでいたのに、高尾山は初訪問です。私が駅に着いたのは午後ですが、ケーブルカーで気軽に登れる山とあってこの時間からも高尾山に登ろうとする人は後を絶ちません。すでに参拝を終えて駅に戻ろうとする人もいて駅からケーブルカーの乗り場までの道は人でごった返していました。

こちらの乗り場からケーブルカーに乗ります。リフトもあるようなんですが寒さが堪えそうな気がするので前者を選びます。長い行列ができていましたが、普段15分間隔で運転するケーブルカーはフルパワー7分間隔で運転していたのでそこまで待たずに乗ることができました。

な、なんじゃぁこりゃあ!?

ケーブルカーが入線してきました。が、車両も窓も人も全部斜めってます。異様な光景です。高尾山のケーブルカーは日本一の傾斜31度18分を誇り、何かに掴まっていないと前のめりになってしまうほどです。そんな急斜面を登ることができるよう、車両も特殊な構造になっています。

麓の方はまだ傾斜は緩やかですが、山上に来るとこの角度。なかなかスリルがあります。ジェットコースターの線路のようにも見えますね。

6分ほどケーブルカーに乗って高尾山上に到着します。山上もご覧のような人だかり。さすが東京、もちろん初詣シーズンだということもありますが山の上だというのにこの混雑です。

目的地の薬王院に向けてはケーブルカーの駅からまた15分ほど歩いていかなければなりません。ただ山の上とはいえ道も整備されていますし比較的平坦なので歩きやすいです。私は初めて来たのでよくわからないのですが、登山コースがいくつか用意されているようなので、そういったコースをいくともう少し難易度の高いコースもあるのかもしれません。

と、ここまで相棒のLUMIXで写真を撮ってきたのですが、なぜだか今日はレンズのズームリングに引っかかりを感じます。

さらにしばらく山道を進んでいくと薬王院の入り口が現れました。

薬王院は744年に聖武天皇の勅令により東国鎮守の祈願寺として、高僧行基菩薩により開山された歴史ある寺院です。薬師如来を本尊としていたことからこの名がつきますが、1375年に俊源大徳が入山した際、戦国武将の守護神として崇敬された飯縄大権現(いづなだいごんげん)を奉祀して以降はこちらが本尊となっています。以来北條家、徳川家など武家の保護を受けて隆盛し続け今日に至っています。

四天王門

四天王門を潜り、本堂に向かおうとしますがそこはやはり正月2日。参拝客が行列を成しています。山上にある神社なので一度に多くの参拝を受けることができません。ゆっくり自分の番を待ちます。

こちらは大本堂。開山時からの御本尊薬師如来と飯縄大権現が祀られているといいます。手を合わせて南無飯縄大権現と唱えて自らに現世を生きる力を分けていただきます。

高尾山といえば天狗です。天狗は飯縄大権現の随身で除災開運などの利益を施す力を持つといわれており、神格化されています。高尾山は修験道の山であり山伏修業が行われていたので、修業を積んで霊気を纏った山伏たちが天狗と同一視されていったとも言われています。

大本堂の上に登っていくと、こんどは鳥居にぶつかります。薬王院は寺院だったはずですが、ここは神社「っぽい」。

ここにもいる天狗。

鳥居を潜って現れるのは本社。「社」といっているのですから神社です。明治時代、神仏分離が行われ一部地方では推進派の過激な行動により廃仏毀釈まで行われてきましたが、ここではその難を免れて双方が同居し、神社でお経を読むなど神仏習合の時代の姿がそのままに残されています。

高尾山はさらにここから山頂に登ることもできるのですが、生憎そこまでの装備は持ち合わせていなかったので下山することにします。せっかくなので昨日に引き続きおみくじをひくことにしました。

なんで絵が学生運動やねん。

……ものの見事に凶でした。とにかくすべてのことが悪く、新しいことは何もしてはいけません。でもおとなしく過ごしていても難が降りかかってきます。と、じゃあどうしたらいいんだという救いようのない内容でした。まぁ、倹しく生きていきます。それでも難があるそうですが。

四天王門あたりまで戻ってくると見事な展望がわたしを迎えてくれました。南東の方を向いているようなので相模原、その向こうは横浜の高層ビル群のようです。こんな景色をカメラに収めたんですが、おや、やっぱりズームリングの調子がおかしい。

そしてついに機能しなくなりました。まわしても空転するばかりでズームできません。レンズが壊れるより先にそちらが壊れるとは思ってもみませんでした。買い替えの必要がありますが結構な散財です。凶の成果がいきなり現れました。

おみくじの中には「書き物の中に誤り多し」とも書かれていました。ブログの中に間違いがないよう、丁寧に書くことに努めたいと思います。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2025年1月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。