消費税は社会保険料より公平なのになぜきらわれるのか?

Q. 昨年度の消費税の負担は23兆円。社会保険料の80兆円よりはるかに低いのに、消費税がきらわれるのはなぜですか?

GPT:消費税が社会保険料よりも負担額が少ないにもかかわらず、特に嫌われやすい理由には、心理的、政治的、経済的な要因が複雑に絡み合っています。

  1. 消費税の「痛税感」
    • 消費税は商品やサービスを購入するたびに価格とともに明示され、消費行動のたびに負担を感じる痛税感が大きい。
    • 消費税率の引き上げは、商品価格全体を引き上げるため、家計への影響が直接的かつ即時に現れます。特に食料品や日用品などの生活必需品に対する課税は、所得にかかわらず広く影響を及ぼします。
  2. 消費税の逆進性
    • 消費税は所得に関係なく一律で課税されるため、所得が低いほど負担感が大きくなる逆進性があります。
    • 消費税はすべての消費にかかるため、生活必需品の購入に大きな影響を与えます。これは特に低所得世帯にとって、家計を圧迫する要因となります。
  3. 社会保険料の天引き
    • 社会保険料は給与から源泉徴収で天引きされるため、直接的にお金を「取られる」という感覚が薄れます。これに対して消費税は支払うたびに明確に認識されるため、負担感が大きく感じられます。
    • 社会保険料は年金、医療、介護など、特定のサービスを受けるための「保険」という建て前なので、納得感が得られやすい。

Q. 逆進性というのは逆。社会保険料は上限があるので、金持ちの負担が軽くなる逆進性がはるかに大きい。

日本維新の会の資料

GPT:確かに、社会保険料には上限が設定されており、高所得層ほど負担割合が軽減されるため、逆進性が大きいと言えます。この点を踏まえると、消費税の方がより公平な税制として機能する可能性があります。以下にその理由を詳しく説明します。

  1. 社会保険料の逆進性の原因
    • 社会保険料は一定の標準報酬月額や標準賞与額を超えると、それ以上は課税対象外となります。標準報酬月額には上限があるので、高所得者は所得に占める保険料の比率が低くなり、逆進性が発生します。
    • 一方、低所得者は上限の恩恵を受けられず、所得に占める保険料の割合が高くなり、負担が重くなります。結果として、低所得層ほど可処分所得が圧迫される構造になっています。特に国民年金保険料は、所得に関係なく年額203,760円なので、低所得者ほど負担率が高くなります。
  2. 消費税の公平性
    • 広く負担を分担:消費税は消費行動に課税されるため、所得に関係なくすべての人が一定の割合で負担する仕組みです。これにより、現役世代と高齢世代の間でも負担を分かち合うことができます。
    • 所得税や社会保険料の限界を補完:高所得層は消費額も多い傾向があるため、消費税は実質的に高所得者から多く税収を得ることができます。一方、社会保険料は上限があるため、高所得者の追加的な負担を引き出すには限界があります。
    • 逆進性対策が可能:消費税の逆進性に関しては、食品や生活必需品に軽減税率を適用したり、低所得層に対して給付付き税額控除を行うことで、十分に緩和することができます。

Q. 超高齢化する日本では、現役世代だけが負担する社会保険料を、高齢者も負担する消費税にできるだけ置き換えることが、公平で合理的だと思います。

GPT:おっしゃる通り、超高齢化社会においては、社会保険料の負担を現役世代に偏らせる構造を見直し、高齢者も含めた幅広い世代が負担する消費税へ置き換えることは、より公平で合理的なアプローチといえます。この考え方には、いくつかの重要なポイントが含まれています。

  1. 社会保険料の課題
    • 社会保険料は、年金、医療、介護といった高齢者向けサービスの主要な財源となっていますが、その負担は主に現役世代(労働者と雇用主)が担っています。
    • 高齢化が進む日本では、年金受給者が増加する一方、支える現役世代の人口は減少しており、社会保険料の引き上げが続けば、現役世代の経済的負担はますます重くなります。
    • 現在の社会保障制度では、高齢者は社会保険料の負担がほとんどなく、医療費や介護費用についても比較的低い自己負担割合でサービスを受けています。
  2. 消費税への置き換えの合理性
    • 消費税はすべての消費行動に対して課税されるため、現役世代だけでなく高齢者も等しく負担します。高齢者も社会保障制度の恩恵を受けている以上、その費用を分担することは公平で合理的です。
    • 消費税は所得や雇用の変動に影響されにくいため、安定的な税収を確保する手段として優れています。社会保険料のように賃金や労働人口に依存しないため、財源の持続可能性が向上します。
    • 消費税は所得が低い人ほど負担感が強い「逆進性」の問題がありますが、この点は、低所得者への軽減措置(例えば給付つき税額控除)を併用することで緩和が可能です。

Q. ただ年金制度を消費税に置き換えることは、法的に困難です。年金受給権は財産権として強く保護されているからです。

GPT:確かに、日本の年金制度を消費税に完全に置き換えることは、法的に極めて困難です。その理由は、年金受給権が日本国憲法における「財産権」として強く保護されているためです。以下にその背景と課題を詳しく説明します。

  1. 年金受給権と財産権
    • 日本国憲法第29条では「財産権は、これを侵してはならない」と規定されています。年金受給権は、長年にわたる保険料の支払いに基づいて得られる権利であり、財産権として強く保護されています。
    • 年金制度を消費税に置き換えることは、現行の年金制度を廃止し、受給権に対する法的保護を縮小または変更することを意味するため、受給者や国民の強い反発を招く可能性があります。
  2. 消費税置き換えの法的課題
    • 年金制度は、保険料を支払った対価として年金を受け取る契約的な性質を持っています。これを消費税のような税制に置き換える場合、保険料を支払った過去の権利をどう保証するかが問題になります。
    • 仮に年金制度を廃止して消費税に完全移行する場合、現行の受給権をどのように扱うかが憲法第29条との整合性を保つ上で大きな課題です。現行の受給者や支払済みの保険料に基づく権利を無視することは憲法違反と判断される可能性があります。
    • 制度変更の際に、既存の受給者や保険料を支払った現役世代にどのように補償するかを明確にしなければなりません。これには巨額のコストがかかることが予想されます。
  3. 現実的なアプローチ
    • 完全な置き換えではなく、部分的な改革や組み合わせによって、消費税を活用する現実的な道が考えられます。年金財源の一部を消費税で補填する仕組みを導入する。
    • 例えば、基礎年金(最低限の生活を支える部分)の財源を消費税に置き換える最低保障年金で、社会保険料負担を軽減する。高齢者を含むすべての世代が消費を通じて負担を分担する形を目指す。
    • 年金保険料の上限を見直し、高所得者の負担を増やす一方で、低所得者の保険料負担を軽減する仕組みを整え、消費税収を活用して低所得者への年金給付を充実させる。

年金制度を消費税に完全に置き換えるのは法的に困難ですが、部分的な移行や補完的な役割を果たす形で消費税を活用することは現実的な選択肢です。法的課題を克服するためには、受給権の保護を最優先にしながら、段階的な制度改革を進めることが求められます。そのためには、政治的リーダーシップと国民的議論が不可欠です。