米国のマルコ・ルビオ国務長官が初の外遊でパナマへ向かいます。
トランプ政権は有利な条件でパナマ運河を利用したいと考えており、そのためには一度パナマへ譲渡した運河の返還実現も視野に入れています。
トランプ氏はパナマ運河が中国企業の影響下に入っており、通行料も高いことを批判しています。
米国はパナマ運河の安全で効率的、かつ信頼できる運営に既得権益を持っており、それは常に理解されていました。我々は決してそれを悪者の手に渡すことはありません!これは他者の利益のためではなく、米国とパナマへの協力の証として与えられたものです。この寛大な寄付の道徳的および法的原則が守られない場合、我々はパナマ運河を全額、そして疑問の余地なく返還するよう要求します。パナマの役人の方々、どうかそのように指導してください!
パナマ運河が米国の安全保障に直結していると考えるトランプ氏はパナマ運河の「奪還」を辞さない決意を就任式で表明しています。
そもそもパナマという国は、米国がパナマ運河を建設するためパナマ人による革命を支援し、コロンビアから分離独立させたことによって誕生しました。
パナマ運河の建設が終わった後も米国は管理権を持っていましたが、現地民からの抗議運動が活性化したこともあり、1977年に米国とパナマは条約を締結し、1999年に完全返還がなされました。
1976年大統領選で、パナマ運河の返還は大きな争点となりました。
当時現職大統領だったフォードに挑戦したレーガンはパナマ運河の返還を拒否することを公約として掲げました。
トランプ(とレーガン)はパナマ運河の正体を明かしている。我々が建設し、我々が費用を支払ったのだ。我々のものだ!
パナマ運河返還条約が結ばれた時の大統領はカーターでした。トランプ氏は1980年米国大統領選でカーターが敗北したのは、パナマ運河を明け渡したことが原因だと考えているようです。
このようにパナマ運河は米国にとって歴史的に、安全保障的にも重要な場所であると考えられてきました。トランプ政権はパナマ運河の返還実現に向けて、今後どのような手段を取るのでしょうか?