トランプ大統領令への誤解
『報道1930』(1月31日放送)で、トランプ大統領の不法移民強制送還によって引き起こされる懸念と問題点を取り上げていた。この問題は日本にとって対岸の火事ではなく、事実上の移民受け入れを始めている我が国の問題でもある。しかも、日本の場合、欧米と同じ道を辿っているのだ。
少子高齢化が進む日本も、深刻な労働力不足を解消する為、外国人労働者を受け入れざるを得ない。その為、技能実習生などと「まやかし」の名称を付け、外国人労働者受け入れを事実上解禁した。
外国人労働者を受け入れる為には、政府が労働者として受け入れるだけの法整備を進めてはきたが、一方で、少子高齢化、人口減少に歯止めはかかっていない。目先の労働力確保の手段としての外国人労働者受け入れはアリだと思うが、少子高齢化を止める政策が追いついていない。
石破茂の言う「地方創生2.0」は現時点では理想論であり、現実問題の解決に直結するものではない。段階的な取り組みに繋がっていないし、繋がる要素が見えない。また、石破茂自身も具体策に関する説得力が欠けているから、国民に理解が進んでいない。これは、明らかに理想論が先行する社会主義的イデオロギー政治の典型例で、失敗する可能性が極めて高い。選択的夫婦別姓の法制化など急ぐ段階にはないのだ。
トランプ大統領が不法移民の強制送還を進めるのは、民主党が主導してきた移民政策の間違いを糺す以上に、混乱した国内、分断を生み出した社会を軌道修正する目的が大きい。そして、もっと大きいのが、不法移民によって搾取されているアメリカ人とその生活の保護だろう。
トランプの移民強制送還の手法に対し、早稲田大学の中林教授は、「肌の色で差別する人間の本質に関わる問題。トランプの政策は、より差別を助長する政策」だと批判するが、それは逆の見方も出来るだろう。
民主党はメキシコとの国境から流入する不法移民に対し、寛容な政策を打ち出してきた。それは、不法移民のような人々に寛容な政策が、アメリカ国内のエスニック・アメリカンの支持やリベラルな政治思想の有権者の支持を得られると考えたからに他ならない。それは再生可能エネルギーを積極推進したり、LGBTの人々に対する寛容な政策を進めていることとと同じだ。
しかし、中林教授の説明には、トランプ大統領が誕生したことの背景には触れていないし、TBSの松原キャスターも意図的に民主党の政策への批判を避けている。
トランプ大統領が圧倒的な票差で大統領になった背景とは、つまり民主党政権に明確にNOを突きつけたからであり、アメリカ人はとっくにアメリカ国内の分断の原因は過度なリベラル政策であることを知っているのだ。その怒りや民主党政権への強烈な反動がトランプ大統領を生み出したと、どうして整理出来ないのだろう?
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以後、
・日米首脳会談で石破茂は全敗する
続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。