ずっと喋り続ける人を「平和に」止める3つの技術

黒坂岳央です。

ビジネスで会話をしたり、子供の学校や園の保護者と会話をすると毎回、ずっと一方的に自慢話をし続けて止まらない人がいる。周囲が眉をひそめていても、本人は空気を読まずにお構い無しで白けた時間が流れ始める。

特に年を取って中高年になるとこの傾向が強く、話を止められないで困ってしまう人もいるだろう。そこで筆者がこれまでの経験から個人的に有効だった方法論を取り上げたい。

Deepak Sethi/iStock

タイムキーパー役をする

話し出すとおしゃべりが止まらない人はこちらが何もしないと、延々と話し続ける。そのため、会話の冒頭に「この会話ができる時間と話し合いの内容」を示しておくのだ。

筆者がやっているのは挨拶を会話した後、ビジネスの打ち合わせの場であれば次のように話ししている。

「◯◯さん、本日は限られたお時間ですが、30分間この案件についてお話しできればと思います。」と時間に限りがあることを示しておく。こうすることで「今回は特に長々と話してはいけない!」と相手に自覚してもらう。そして

「今回はまず、Aについて最終結論を出し、次にBについてのご意見、そしてCという流れでお話ができればと思います。重要度の高いAに付いて時間を取りたいと考えます。早速Aの話に移りましょう。」

と、自分がタイムキーパー役をする。

基本的にダラダラ会話をする人は時間の概念が希薄なので、会話の主導権をこっちが握っておくのだ。

そうすることで、話が脱線して自分語りが続いたら「お話ありがとうございます。それではAについての結論が出ました。お時間も限られているということでBの議題に移りましょう」と強制的に相手の自分語りを止めることができるだろう。

要約して話題を変える

上記の会話はビジネスでは使えるがプライベートの会話ではやりにくい。だが、放置すると永遠に終わらない一人語りが続いて困る。そんな時に使えるのが「会話を要約して、話題を変える」である。

時折、強制的に相手の話をぶった切り「はいはいはい。その話はもうわかったわかった。そういえばこの間さー」みたいに展開しようとする人がいるが、これをすると「自分の話を聞いてくれていない」と怒り出す人がいる。

特に話が一方的で長い人は承認欲求強めの人なので、話を聞いてくれていないと感じるとわかってもらおうと余計にしつこくなることがある。

そこで有効なのが無理やり話をぶった切るのではなく、要約するのだ。「詳しくご状況を教えてくださってありがとうございます。ここまでの話は◯◯ということですね、よく理解できました」と一旦、相手の話を完結させる。

相手も「話を聞いて理解してくれた」と満足するので、禍根を残さずに本来したい話に戻すことができるのだ。

「分からない」とハッキリいう

最も難易度が高いのがプライベート性が高い身の上話である。

「実はこういうことで悩んでいて」と口火を切ると、我慢していた感情がドッと吹き出して止まらなくなってしまう人がいる。

もちろん、人知れず悩みを話してくれるということは、こちらを信用してくれているということなのでそれ自体は喜ぶことで、真摯に聞いて共感を示す態度は大事だろう。

だが人によっては限度がなく、会うたびに愚痴愚痴、こちらに言い始めるケースもあり、まるで感情のゴミ捨て場のような扱いになってしまうことがある。

そこでおすすめなのは最低限の共感を示しつつ、「分からない」とハッキリ伝えることだ。筆者の場合、どうしても困ってしまう時はそうしている。

「それはお辛いですよね…。こういう時、もう少し気の利いたことが言えればと思うのですが、そのような経験がなく、軽々しく意見を言うことははばかられます。あまり適切な言葉が見つからず、申し訳ありません。でも事態がうまくいくようお祈りしております」

と伝えている。丁寧に色々といっているが「わからないのでコメントできない」と伝えているのだ。このようにいうことで、相手も気を悪くすることなく、それ以上の話の細部へ踏み込むことがないだろう。

話しすぎる人はそこそこ多いが、だからといって「しゃべりすぎ!」と指摘したり、明らかに面倒くさそうな態度を見せるのは得策ではない。かといって好きにしゃべらせ続けるのも困る。そのバランスを取って上手に切り上げる技術を独断と偏見で取り上げた。参考になったら幸いだ。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。