江藤拓農林水産大臣は、コメ価格の高騰が続いていることを受け、政府の備蓄米を可能な限り早急に放出する考えを示しました。新米が出ても価格は下がらず、12月のコメ価格は過去最高を記録しましたが、それでも農水省は備蓄米の放出を否定し続けてきました。とうとう価格が1000円/kgという異常な事態となり、農水省への批判が殺到しています。
しかし、江藤農水相は、コメ価格の高騰を一時的と判断した当時の農水省の対応について「無理もない」と擁護したり、立憲民主党の徳永エリ「米は高騰してない。消費者は理解して」といった答弁に対しても、大きな批判が起きています。
2月3日の衆院予算委員会では、立憲民主党の神谷裕議員が「コメ高騰の原因は農水省の対応の遅れではないか」と指摘され、江藤農水相も「大いに反省すべき点がある」と認めました。しかし、いくら反省を示しても、実際に価格が下がらなければ消費者にとって意味がありません。
農林水産省 Wikipediaより
農家関係者によると、コメ価格が上昇しても収入に反映されず、「誰も儲かっていない」との声が広がっています。また、収穫量が増えたにもかかわらず、12月の集荷量が前年より20万トン少ないことが判明し、「消えたコメ問題」が浮上しました。農水省は集荷業者が流通を制限している可能性を指摘しています。
しかし、価格の高騰は猛暑やインバウンド需要が直接の原因ではなく、むしろJA農協と農水省の政策による影響が大きいと指摘されています。
コメの価格が高騰し続けているにもかかわらず、農林水産省は適切な対策を講じていません。その背景には、JA農協や農水省の既存の政策が影響していると考えられます。
日本では長年にわたり減反政策が推進され、コメの生産量が抑制されてきました。減反政策の本質的な目的は価格維持であり、農家が生産を増やせば補助金が削減される仕組みになっています。そのため、JA農協や農水省はコメの供給量を制限することで市場価格を高く維持しようとする傾向があります。
日本のコメ価格が高騰し続ける背景には、単なる天候や市場の動向だけでなく、JA農協と農水省の構造的な問題が影響しています。減反政策の廃止やコメの輸出促進、農業の生産性向上など、根本的な改革が必要とされています。
農水省の対応の遅れが価格高騰と混乱を招いた可能性は小さくなく、備蓄米の放出も遅きに失しました。現在5キロ4,500円以上のコメが元の価格に戻るのかは不透明です。今後もコメの価格は高止まりし、消費者の負担が増え続けることになる可能性が高まっています。