日本では「勿体ないお金持ち」が増えている

日本経済新聞によれば、国内銀行で残高が1億円以上ある個人預金は、2024年9月末時点で13万8900口座もあるそうです(図表も同紙から)。

 

しかもそのような高額口座の数は年々増えているというのです。

せっかくお金という働き手がいるのに、金利の低い銀行預金に置いておくのは、やる気のある社員に仕事をさせない経営者のようなものです。

円の普通預金金利は、金利が比較的高いSBI新生銀行でも年利0.4%です。

例えば、東京23区のワンルームマンションの賃貸利回りは約4%ですから、10倍の差があることがわかります。

1億円を0.4%で運用しても年間40万円ですが、4%で運用できれば400万円です。桁違いのキャッシュフローとなります。

もちろん、ワンルームマンションには空室リスク、家賃下落リスク、災害リスクなどの預金にはないマイナス面がありますが、家賃が半分に下がり、空室率が50%になっても、まだ銀行預金より多くの収入が得られます。

入居率が平均で99%近くで、家賃が上昇傾向にある都市部の単身者向け不動産が空室や家賃の下落といった事態に陥る可能性は極めて低いと言えます。

現金で購入すれば、金利の上昇も関係ありません。むしろインフレによって、家賃がこれから上昇していけば、手取りの収入が増えることもあり得ます。

銀行預金の問題は、金利が低いことだけではありません。インフレによって実質的に元本が目減りしていくことを忘れてはいけません。

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物価上昇率が2%となれば、年利2%以上で資産を増やさないと実質リターンはマイナスです。

年金生活者の中には、銀行に預金を滞留させ、元本を減らすことを恐れ、金利と少ない年金で慎ましく生活している人もいます。

であれば、不動産のような資産を活用して、毎月の手取りの金額を大きくすれば、老後の不安は解消します。

もちろん、悪徳な不動産会社もたくさんありますから、信頼できる会社を見つけて、良質な物件を妥当な価格で購入することが大切です。

私がお付き合いがある不動産会社は長年のお付き合いの実績があり信頼できる会社ばかりです。私が物件購入しただけではなく、家族にも紹介して感謝されています。

せっかく豊かに暮らせるのに、その方法を実践しない。銀行に大量の預金をしている人は「勿体ないお金持ち」からの脱出方法を真剣に考えてみてください。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年2月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。