米アカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画賞のノミネート作品を決定するためのショートリストに、ジャーナリストの伊藤詩織さんが初めて監督を務めた作品『Black Box Diaries』が選出されましたが、そこで無断使用された動画について波紋が広がっています。
「無断録音・録画を使わないで」「私は8年半もの時間とエネルギーを彼女を守るために費やしてきた」「問題点を指摘しなければならない辛さ」伊藤詩織さん監督映画に"人権上の問題" 西廣陽子弁護士ら会見https://t.co/7klM6j2acg
伊藤詩織さん側は、指摘は「不正確」としている#BlackBoxDiaries pic.twitter.com/JFxqArpw2j
— ニコニコニュース (@nico_nico_news) February 20, 2025
伊藤さんの性被害訴訟で代理人を務めた西廣陽子弁護士らは、『Black Box Diaries』について「承諾を得ずに映像や音声が使用されている」「取材源の秘匿や事実上の公益通報者の保護がなされておらず、人権侵害に該当する映像が公開され続けることには問題がある」と指摘し、内容の変更を求めています。
「つらさにつぶされそう」伊藤詩織さん元代理人 8年間弁護も、監督映画に倫理的懸念指摘https://t.co/eAVrTkTRUQ
「8年以上も時間とエネルギーを彼女を守るために必死に費やした。なんてみじめなのか。それ以上に一緒に戦い信じた人に(映画の)問題点を指摘しなければいけないつらさにつぶされそう」
— 産経ニュース (@Sankei_news) February 20, 2025
元弁護団は、伊藤さんが『Black Box Diaries』で、被害現場とされるホテルの防犯カメラ映像が本人やホテル側の許可を得ずに使用されていると指摘しました。
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2019年外国特派員協会で会見する伊藤詩織氏
また、海外では公益通報者にあたる捜査官やタクシー運転手、裁判で代理人弁護士を務めた西廣弁護士に関する無断録音・無断録画の映像が公開され続けていることにも問題があると訴えました。
伊藤詩織さん「ホテル映像は4000ドルで入手」の主張、元弁護団が完全否定 サイン守らず https://t.co/3TTJaTGANt
これはある種、伊藤詩織という人の化けの皮が剝がれてきたといえるかもしれない。かつての「同志」から告発されるというのは、よほどのことよ。— 三枝 玄太郎 (@SaigusaGentaro) February 20, 2025
これに対し、伊藤さん側は、指摘された内容は「不正確」であり、「伊藤さんの名誉を毀損するおそれがある」と反論し、「伊藤さんの名誉を毀損する」としています。しかし、自ら説明の機会を求めていた伊藤さんは、体調不良で自信の記者会見を中止してしまいました。
映画には、伊藤さんの民事裁判の証拠映像(ホテルの防犯カメラ映像)が使用されていますが、この映像は「裁判以外に使用しない」という誓約書の対象でした。伊藤さんの元弁護団は、映画公開前の内容確認を求めましたが、事前に連絡がなかったそうです。伊藤さんは、自分はホテル映像によって被害を救済してもらっていながら、今回の映画により、今後の被害者救済の途をふさごうとしてしまっていることになります。
この記事を読んでようやく全容を理解した。放置すると今後の司法やジャーナリズムにも深刻な影響を与えると思う。後編も。/伊藤詩織氏ドキュメンタリー作に「承諾が取れていないのであれば人権上問題」「事前に確認なく公開」かつて共に闘った弁護士たちが警鐘 https://t.co/Adr88egav2
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) February 16, 2025
伊藤さんは今回の件で、東京新聞の望月衣塑子記者の記事が事実と異なり名誉を毀損されたとして、望月記者に330万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴していましたが、こちらの推移も注目が集まります。
参照:伊藤詩織さんが東京新聞・望月衣塑子記者を名誉毀損で提訴 アゴラ
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伊藤さんの映画は海外で上映が着々と進められ、元弁護団との信頼関係は完全に壊れてしまいました。弁護団の無念は察するに余り有ります。
伊藤詩織さん元弁護士、映画に無断で音声使われ「彼女を守るため8年半…何て惨めなんでしょう」 https://t.co/Bgu2rPq1OA
— 日刊スポーツ (@nikkansports) February 20, 2025
米国ピアノバー勤務→TBS社員が客にくる→ジャーナリスト志望を伝え就活プッシュ→不同意性向→検察も検察審査会も不起訴→民事は勝訴ながら虚偽も一部あり→この件のみをしがんで社会はジャーナリスト扱い→BlackBox映画化→問題発生。
う~ん・・。https://t.co/0iIwKCtCPX— アル・ベルティーニ (@ac_albertini) February 20, 2025