私も毎日様々なジャンルからテーマを選んでブログを書かせていただいているのですが、最近パッとしないのが日本の政治ネタ。トランプ政権の政治ネタは掃いて捨てるほどあるのに日本では国会開催中にもかかわらず、報道で出てくる政治の話題は103万円の壁の話と高等学校の無償化、それに今国会の目玉案件の選択的夫婦別姓制度ぐらい。別次元で自民党が若年層からの支持を落としている報道や都議選に向けてスタートダッシュをしたかった石丸伸二氏の都知事選を巡る公職選挙法違反の疑惑で出鼻をくじかれた話ぐらいでしょうか。
石破首相インスタグラムより
国の年度予算の早期国会議決が重要なのはわかっていますが、外交を含めた国内外の案件という観点から見て話題の広がりが少なすぎる気がします。一つには石破政権がよたよたしながらも前を向いて歩いているからでしょう。特にトランプ氏との会談は一部でよかったのではないか、という評価が出てこれが保守派の一部には強烈な不満となるも崩しにくい状況に見えます。
かなりうがった見方としては高橋洋一氏の影響力というのもあると思います。石破氏が当選してから髙橋氏の予見が当たりにくくなったことが気になります。私はだいぶ前に氏の人気はいずれ落ちると申し上げたことがあります。心地よく思われなかった方も多かったと思いますが、氏の主張は巧みな数字の拾い方と一般ニュースになりにくい話を組み合わせて自己理論武装をするのでへぇ、と思わせてしまうのです。最近これにやや飽きてきている気もします。そもそも虎ノ門ニュースが保守系を繋ぐ重要なメディアでしたがこれが実質的に終わり、自民党は保守本流の安倍派が解散したことで保守派のチカラが削がれている背景もあるでしょう。
では政治はなぜつまらなくなったのでしょうか?103万円の壁問題については議論以前に不人気の宮澤洋一氏の采配にあると思います。あの人は煮ても焼いても食えないでしょう。お代官様気取り、ところが財務省にとってはどれだけ高い餌をばら撒いてでも「宮澤氏さまさま」のはずです。
103万円問題は自民と国民民主の間の根本思想の相違で「壁づくりのプロ」と揶揄されてしまうわけです。宮澤氏は税収減枠1兆円ともされる「手持ち予算」との兼ね合いから壁ナシはできないという趣旨なのですが、宮澤氏を人身御供する政権もどうなのかな、と思います。また個人的な別の観点では近年の政権の発想は全般的に金持ちを作らず貧しい人を引き上げる政策、つまり1億総中流の発想が今でも大いに残っており、これが「出る杭」を作らなくなり日本を世界から埋没させた気もします。支援は本当に生活が苦しい人に留めるようにすべきです。
政党の動きを見ると与党の妥協具合と一部野党の好き放題発言の展開に見えます。存在感がより薄くなった公明党を含め「なーんだ、日本の政治家はこれぐらいの問題でもスッキリ解決できる議員はいないんだな」という印象です。玉木氏も謹慎3か月が解ける3月3日以降、何か新たに展開できるかといえばそれもなさそう。維新は前原共同代表が食えません。私には「前原氏なんてまだいらっしゃったのね」という感じです。
アメリカはトランプ政権のやりたい放題、隣国韓国は与野党ガチのぶつかり合い、そういえばドイツの選挙も想定通りの政権交代となるも連立の組み合わせでこれから厳しい調整が見込まれます。ところが少数与党の石破政権には奇妙な生暖かい空気がどよよーんと漂っている感じがします。氏の性格や動向からなのでしょうか、危機感が見えないのです。
自民党内の「浮かばれない組」は水面下でもがいているようですが、水面上に出てくることはあるのでしょうか?30代が支持する政党で自民がれいわ新選組に抜かれるとは誰が想像したでしょうか?私はこのブログで繰り返し、今や自民党の時代じゃないと申し上げてきました。今度の参議院選は地盤の変化が起きる気がします。そして自民党が頑張れば頑張るほど若者は逃げていく、そんな構図も見て取れます。
最後に、小柳ルミ子の「今さらジロー」を「今さら自民党」に読み替えると「♬いまさら自民党、罪だよ自民党、あたしのとって昔は昔… 今は今…♬」とすれば今は何党なのよ、という答えがないのが日本で政治ネタ話が盛り上がらない理由かもしれません。
「殻から飛び出せ、勇気ある一歩を踏み出せ」って若者向けの言葉ではなく、ご高齢の政治家に向けたいと思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年2月27日の記事より転載させていただきました。