AROP(パリ国立オペラ座後援会組織)のアクティヴィティ。
月曜日、バンジャマン・ベルネーム( バンジャマン・ベルナイム )のトークショー! オペラ・バスティーユのスチュディオにて。
今や世界最高のテノール(だと思う)。だーいすき♪ 声の美しさはもちろん、演技力抜群で、語るような歌唱が胸に沁みる。昨冬のホフマン物語、最高だった。
歌手として最高な上、語り手としてもとびっきりなのを、今宵、発見。
前夜のガルニエでのリサイタルについて、物議を醸した”宇宙船ラ・ボエーム”の出演裏話や宇宙飛行士との出会いや衣装の宇宙服について、こちらも観客がざわついた”牛のラ・トラヴィアータ”の牛の逸話、世界中で歌いすぎたホフマンについて、オリンピック閉会式登場の経緯、道で声かけてきたオペラファンとの想定外の会話、風邪ひいてる時に限って契約レーベルのお偉方が聴きにきた話、ノートルダム寺院のリニューアル記念ガラで歌うこと…。
などなど、オペラとキャリアにまつわる、楽しくて面白すぎる裏話満載の90分で、笑いっぱなし。ユーモアたっぷり、噺家になれるね、この歌手。そして、指が長くて美しい。
レパートリーの中でもっとも惹かれるのは、デ・グリューだそう。春の「マノン」が待ちきれない。
トークショー終わっても、かなり長い間、みんなとおしゃべりしてくれた。
年明け、日本リサイタルだそう。昨夜、パレ・ガルニエでやったフランス作品リサイタルの内容が中心らしい。
火曜日、「リゴレット」の舞台稽古。
字幕もないし衣装もほぼなし、セットも未完成だけど、指揮者、オーケストラ、歌手たちによる、一つのアート作品を作るんだ!という、緻密で繊細な仕事を見られてとても興味深い。協力のなかにも対立というかピリッとする瞬間もあり、指揮者によって進め方やこだわり、オケとのつながり方などが見えて面白い。
相変わらず、合唱お上手なオペラ座。オーケストラは、トランペットががっつり注意されてたけれど、バレエで聴く時よりずっといい。
大充実の2時間半。10分早くにお稽古終わり、オーケストラメンバー拍手喝采(笑)
20年以上ぶりにAROPに入ったけど、プログラムなかなか充実していて楽しい一年だった。来年も継続しようかな。
編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々6」2024年11月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々6」をご覧ください。