財務省解体デモに参加するのは典型的な「他責」行動

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現場に行ったことが無いのでメディア報道からの伝聞ですが、霞が関の財務省前で「財務省解体」を叫ぶデモが続いていて、参加者の数が増えているそうです(写真はネットから)。

インフレと円安で国民生活が苦しくなる中、積極財政や消費税減税といった生活を改善するような政策が取られないのは財務省が悪いからだという主張に賛同した人たちがSNSでデモの様子を拡散し、それに煽られて参加する人が増えるという循環になっているようです。

ちょっと考えればわかることですが、そもそも財政政策や国民への課税方法を決定しているのは財務省ではありません。政府が決めたことを執行する行政機関である財務省を責めるのは筋違いです。

そう言うと、いや財務官僚が政治家を洗脳し実質的に国を動かしていると主張する人が出てきます。話としては面白いですが、リアリティに欠ける考察です。

財務省は行政執行機関ですから、財務省が解体されたとしても別の行政機関がその業務を引き継いで続けるだけです。もし本当に解体されたら国の財政機能は麻痺してしまい、市場の混乱から国民生活は更に悪化することになるでしょう。

国の財政政策や税制に文句があるなら、まずは投票に行くことです。不完全な選挙制度ではありますが、デモに行ってストレス発散するよりもずっと意味があるでしょう。

選挙にも行かず、デモには行く人がいるとすれば、その理由が良くわかりません。

私がこの手のデモに対して否定的なのは

「生活が苦しいのは〇〇のせいだ」

と自分を棚に上げて批判するのは単なる「他責」だと思うからです。

日本政府の政策運営や非効率性に問題があることは私も同感ですが、それを批判するのではなく、その中で自分がどうやって生きていけば良いかを考えて行動することが重要です。

「石破首相が悪い」「自民党が悪い」「財務省が悪い」と批判する前に自分でやるべきことはたくさんあります。

経済的に厳しくなっているのなら、仕事や投資で収入や資産を増やす方法を考えれば良いのです。実際、インフレや円安の中で事業の業績を伸ばしている経営者や投資で資産を増やしている投資家はたくさんいます。

デモに行っている暇があるのなら、成功者に学ぶなど、そんな時間をもっと有効に使える方法がいくらでもあるはずです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年3月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。
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