アメリカ軍によるイエメンの親イラン武装組織フーシ派への攻撃に関する情報が、攻撃実施前に外部へ漏洩していた疑いが明らかになりました。24日、米誌「アトランティック」のジェフリー・ゴールドバーグ編集長がその経緯を公表し、トランプ政権の杜撰な情報管理が明らかになりました。
トランプ政権がフーシ派に対する爆撃計画をSignal使ってやり取り。送信相手にアトランティック誌の記者が紛れ込んでて情報が筒抜けになってたという前代未聞のクソ事案が発生。
ヒラリー・クリントンのEメールサーバであれだけ騒いでた共和党連中は華麗にスルーするだろう。https://t.co/DHqvZcU4V4
— Dr. RawheaD @ eodus (@RawheaD) March 24, 2025
The Trump Administration Accidentally Texted Me Its War Plans(トランプ政権、私に誤って戦争計画を送ってきた) The Atlantic

The Atlanticの記事
国家安全保障担当補佐官のマイク・ウォルツ報道官が誤って『The Atlantic』編集長を暗号化アプリ「シグナル」のグループチャットに招待し、フーシ派攻撃に関するやりとりが明らかになったことから発覚しました。
トランプ政権の高官がThe Atlanticの編集長ジェフリー・ゴールドバーグを暗号化メッセージアプリSignalのグループチャットに誤って追加しイエメン爆撃の計画が漏洩
ゴールドバーグがこの一件を公開し情報管理の問題を指摘https://t.co/KVcQe6VjDi— Spica (@CasseCool) March 25, 2025
米軍による親イラン武装組織フーシへの武力攻撃が事前に外部に漏洩していた。
これもウォルツ国家安全保障担当補佐官の前代未聞の致命的な大失態だ。↓理由は、ヘグセス国防長官やバンス副大統領ら米政府幹部の「グループチャット」に誤ってジャーナリストが加えられたことで発覚した。… https://t.co/0WiaFkAqNI
— 渡部悦和 Yoshikazu WATANABE (@WatanabeKansha) March 24, 2025
ゴールドバーグ編集長は当初その内容を信じていなかったものの、実際に攻撃が実行されたことで真実性を確信し、24日にスクリーンショット付きでその詳細を報じました。
チャットにはバンス副大統領やヘグセス国防長官、ルビオ国務長官、CIAのラトクリフ長官、ギャバード国家情報長官ら主要幹部が参加していました。
世界中で話題沸騰のThe Atlantic記事。機密情報の扱いがいい加減過ぎる。通常なら処分対象。加えて欧州への嫌悪が表出。欧州はいつもタダ乗りで酷い、フーシ派攻撃の費用を負担させよう、と。ここでもその急先鋒はヴァンス。ヘグセスは航行の自由の回復などを強調。必読。https://t.co/9gdNspGbVk
— Michito Tsuruoka / 鶴岡路人 (@MichitoTsuruoka) March 25, 2025
バンス副大統領は3月14日にこのグループチャット内で、「我々は間違いを犯していると思う」と述べ、この作戦がヨーロッパに対する政権のメッセージと矛盾し、石油価格の上昇を招く可能性があると懸念を示しました。ヘグセス国防長官は懸念に理解を示しつつも、攻撃の意義を強調しています。
断然、ヴァンス副大統領が正しい!フーシ派攻撃なんぞ、誰の得にもならない愚策。ただ、通信アプリ経由で、このような政権内部の意見対立が漏えいしたことが問題。
バンス副大統領がフーシ派攻撃に疑義 情報漏えい、与党からも批判(毎日新聞)
https://t.co/Mg3U4e2xUR— 宇山卓栄 uyamatakuei (@uyamatakuei) March 25, 2025
このチャットの会話後、実際にトランプ大統領は15日、米軍に対しフーシ派への大規模な武力攻撃を命じています。
米フーシ攻撃計画が漏洩 政権チャットに誤って記者招待https://t.co/rEZH017mfM
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) March 24, 2025
この一連の出来事は、政権内の外交政策に関する意見の相違や、機密情報の取り扱いに対する懸念を浮き彫りにしています。
フーシ派攻撃計画を巡る情報漏洩問題は深刻な国家安全保障上の問題だ。
米民主党はヘグセス国防長官とギャバード国家情報長官の辞任を要求している。
そして、トランプ政権内ではウォルツ国家安全保障担当大統領補佐官の辞任を求める声が上がっている。… https://t.co/Xj9kc3kdni— 渡部悦和 Yoshikazu WATANABE (@WatanabeKansha) March 25, 2025
また、その内容に対し、チャットのやりとりが”軽い”ことに驚きの声もあがっています。
トランプ政権内のフーシ派攻撃の検討、シグナルでやりとりしていたこともさることながら、メッセージのやりとりが非常に興味深い。こんなトップだけのチャットで決められているのかという(ウォルツの絵文字のようにノリも軽い)。またヴァンスの存在感もやはり大きい。https://t.co/h5zqPilXVK pic.twitter.com/1ic19Ch7tV
— JD (@JDWorldBriefing) March 25, 2025
ギャバード国家情報長官は、上院情報特別委員会の公聴会に出席し、グループチャット内でフーシ派の標的に関する議論があったことを認めたうえで、「共有された情報に機密性の高い内容は含まれていなかった」と説明しました。
こういうテキストを公開したゴールドバーグ自身はスパイ防止法などに問われないのかというツッコミがなされているわけですが、公開した本人からすれば、政権側(ヘグセスとギャバード)の人間が「機密情報はなかった」と言い張っていたので、言質をとった形で「機密情報じゃないものを公開しました!」…
— Okuyama, Masashi ┃奥山真司 (@masatheman) March 26, 2025
頭にきたゴールドバーグ、機密(戦争計画)じゃないと言われたテキストをなんと公開。ストライク・パッケージ書いてありますね。 https://t.co/8oFa5O7yec
— Okuyama, Masashi ┃奥山真司 (@masatheman) March 26, 2025
トランプ大統領は安全保障担当のウォルツ補佐官の責任は問わない考えを示しました。ウォルツ補佐官は、編集長がチャットに加わった経緯を「面識も連絡もない」とし、調査中であると述べました。また、使用アプリの安全性について技術面・法律面から調査する方針も示しました。
▽ トランプ大統領は、政権の中枢メンバーが軍事作戦の詳細な情報を政府の専用システムではない民間のメッセージアプリでやりとりしていたと報じられた問題について、機密情報は含まれていなかったとした上で安全保障担当のウォルツ補佐官の責任は問わない考えを示しました。 https://t.co/jlOAJGNhks
— 岡野杏有子(Ayuko Okano) (@apricot02021) March 26, 2025
ホワイトハウスは声明で、フーシ派への攻撃が成果を上げたことを強調したうえで、「トランプ政権に対する組織的な行為」と述べ、民主党やメディアを批判しましたが、前代未聞の情報漏えいに違いはありません。
Signal Gp chat事件では、ヘグセス、ギャバードの言動は酷い。そして、CIA長官ジラトクリフも酷いことを言い始めた。ジャーナリストが戦争計画にアクセスできたシグナルの信じられないほどのセキュリティの不備をバイデン政権のせいにしようとしている。↓… https://t.co/W5Ai0sXZ34
— 渡部悦和 Yoshikazu WATANABE (@WatanabeKansha) March 26, 2025
アメリカの統治機構が溶解しようとしています。
世界最大の軍事大国であり、第二次世界大戦後の国際秩序の形成と安定に多大な貢献をしてきた米国が、今や責任ある大国としてのガバナンスや保秘が溶解してる。信じ難い光景。機密の戦争計画ではないのだから、公開にも一切問題ないはず。だが、公開された情報はかなりの機微にわたる文面の模様。 https://t.co/ktW91U7jlS
— Yuichi Hosoya 細谷雄一 (@Yuichi_Hosoya) March 26, 2025