パリ国立オペラ座バレエ「パキータ」1回目(パリ12区)

パリ国立オペラ座バレエ、「パキータ」。セ=ウン・パク&ポール・マルク。

5日の初日、ギヨームとパブロを楽しみにオペラ・バスティーユに出向くも、40分間客席で待たされた挙句、20時40分、ネーフ総裁が舞台に出てきて公演中止を告げる。会場、大ブーイング。

100歩譲ってグレーヴするのは仕方ない。でも頼むから、せめてもう少し早くに告知して。悪名高きRATPですら、グレーヴ時は事前告知するじゃない…。

数日グレーヴが続き戦々恐々としてたけれど、どうにかこうにか公演スタート。よかったー、セ=ウンを観られて。

これまでパレ・ガルニエで上演していたのが、
今回初めてオペラ・バスティーユに舞台が変わった

もう10年以上も前、昇進コンクールで彼女のパキータのグランジュテに圧倒されて以来(もちろん昇進した)、この役のセ=ウンを観るのを楽しみにしてた。実に10年ぶりくらいの再演。待ちに待った、セ=ウンのパキータ♪

期待通り、素晴らしい!持ち前の高い技術力に、演技もいい。”彼女、こんなに演技できたっけ?”と、隣で仲良しライターが目を丸くしてる。この3年くらいで、ぐっと表情演技に深みが出てきたセ=ウン。パキータのデビュー、このタイミングでよかったのかも。”あの”グランジュテをはじめ、全体的に位置が高くて軽やかな、素晴らしい脚技の数々。演技もチャーミングで文句なし。

ただ、メイクが濃すぎるというか目が吊り上がった感じになってるのが残念…と、友人知人たちと意見一致。

ポールはそつなくお上手。最近のポール、もっとできるのに無難にまとめてくるのが残念。ポルテが微妙にしっくりこないところがあり、練習不足?でも、十分満足のレベル。

アントワーヌのイニゴも、悪くはない。

あれ、学校生徒のポロネーズがカットされてる。明日、学校公演があるからでしょうね。

右が、初日5日の配役表 1
4日の配役表には学校生徒の文字が消えてる
(でも内側には、そのまま記載されて笑)

アニエス(演技、技術、パートナーとの相性、すべて完璧だった)やジョゼ(ナイーヴな“ザ・王子”だった)、マリ=アニエス(あの腕、あの技術…)レティシア(フエッでの複数回トリプルが忘れられない)、そしてイニゴのヤン(理想中の理想)やパドトロワのエマニュエル(歴代最高パドトロワ)など、黄金時代の配役を懐かしく思い出しながらも、久々の「パキータ」を満喫。

ブラヴァー、セ=ウン!

帰り道、満月がきれい


編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々6」2024年12月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々6」をご覧ください。

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