優雅なる地中海の隠れ家:グラン・ドテル・デュ・カップ・フェラ

加納 雪乃

フランスを代表するリゾートエリア、コート・ダジュール。地中海に面した温暖で風光明媚な地域、特に東側のカンヌからアンティーブ、ニースを経てモナコまでの一帯は、19世紀初頭から英国やロシアなど北国の王族や富裕層たちの避寒地として絶大な人気を得た。ニースやカンヌには今なお、当時のエレガンスが漂う美しく広大な館が多く残り、ホテルやレジデンスとして利用されている。

ニースとモナコの間の地中海に突き出した小さな岬、カップ・フェラは、ニースなどの賑やかな雰囲気とは少し風情を異にする。木々が生い茂るうっそうとした森の中に、隠れるように点在するラグジュアリーな館の数々。ここは、より静かで落ち着いたリュックスを求める超富裕層に愛されてきたエリア。そんな岬の突端にあるのが、「グラン・ドテル・デュ・カップ・フェラ」だ。

「グラン・ドテル・デュ・カップ・フェラ」
白亜の館は、カップ・フェラのアイコン的存在

1908年に誕生し富裕層を迎えてきた館は、コート・ダジュールを代表する伝説的ホテルとして高い名声を博してきた。2009年に大改装を行い、2011年には、コート・ダジュールで初めて、”パラス”という最上級ホテルの称号を手に入れた。2015年から、「フォーシーズンス・ホテル」グループとなり、より質の高いホスピタリティで、世界中から訪れるゲストを迎えている。

プールから少し歩くと海岸。海岸散歩も楽しめる

6ヘクタールにも及ぶ広大な敷地には、木々に囲まれた庭やテニスコート、33mの海水温水屋外プール。スパも750m2の広さを誇り、プライヴェートプール付きのスイットルームや、プライヴァシーに配慮したヴィラもある。

ラグジュアリーとホスピタリティの粋に包まれたホテルは、ダイニングも魅力的。

ミシュラン1つ星の評価を得る「ル・カップ」は、この地方の極上食材を高い調理技術と創造力で洗練された料理に昇華させている。

地中海の貴重な赤海老を使った一皿
©Martion Dini

オールデイダイニングの「ラ・ヴェランダ」は、その名の通り、本館の広々としたヴェランダが舞台。木陰で、テーブルをチラチラする木漏れ日や爽やかな風を楽しみながら、プロヴァンス産緑アスパラガス&マルテーズソース、スズキ&赤ピーマンなど、シンプルかつ洗練された料理を楽しめる。

広々としたテラスから地中海が見える

プールサイドの「ル・クラブ・ドーファン」では、サラダや仔牛のタルタルなどの軽食や、炭火焼きの魚介などを味わえる。

プールサイドで1日遊びながら、おいしい軽食

ホテルの総料理長を務めるのは、ヨリック・ティエシュ。パリの「ル・ムーリス」の3つ星黄金期に、当時のシェフだったヤニック・アレノの右腕として活躍した実力派。地中海の魚介や南仏の豊かな野菜や柑橘類、自家菜園で育てる野菜やハーブなどを駆使し、ホテルの3つのレストランで、風味豊かでヘルシーで洗練された美食を提供している。

100年以上にわたって世界の富裕層に愛され続けている「グラン・ドテル・デュ・カップ・フェラ」。レストランやプールだけの利用も可能なので、コート・ダジュール旅の折にはぜひ訪れて、老舗名門リゾートホテルの魅力に触れて欲しい。

ペントハウスからの眺め

Grand-Hôtel du Cap-Ferrat

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