フジテレビ第三者委調査報告書の阿鼻叫喚

3月31日、フジ・メディア・ホールディングスは、同社および子会社であるフジテレビジョンに関する一連の問題について、外部の弁護士によって構成された第三者委員会の調査報告書を受領し、その内容を公式サイトで公表しました。

報告書は全390ページを超える大部で、プライバシーや機密情報に配慮し、一部が非開示とされています。全9章から成る内容は、事案の経緯、フジテレビの対応、結論、総括、コンプライアンス体制、さらに特定の人物(日枝久氏)への言及など、非常に幅広く詳細にわたっています。

フジテレビHPより

調査によって衝撃的な事実が明らかになりました。

フジテレビ内では、女性社員やアナウンサーが、性別や容姿を理由に、出演タレントとの会食に同席させられ、その場でセクシャルハラスメントや性暴力を受けることや、会食やホテル代は会社が負担し、女性社員が男性社員により現場に連れてこられた後、置き去りにされるといった対応がりました。

中居正広氏による性加害の可能性を把握しながら、フジテレビ側は「プライベートな問題」として処理し、番組出演を継続させました。被害者の対応が一部の部署に丸投げされ、人事部やコンプライアンス室が関与しませんでした。

フジテレビの幹部が中居氏に弁護士を紹介し、見舞金を代わりに渡すなど、加害者側の立場を取っていました。

女性社員は社内だけでなく、広告代理店やスポンサー、制作会社などからもセクハラ被害を受けていました。

週刊誌による報道後、被害女性が異動させられた一方、加害者は処分されなかったことから、社内に「相談しても無駄」という風潮が広がっていました。

調査報告書は、フジテレビにおけるコンプライアンス意識や人権感覚の欠如、そして被害者よりも組織を守る体質を厳しく指摘しています。報告書の内容からは、社員が安心して働ける環境が整っていないことが明白となり、多くの有能な女性社員が同社を離れていく背景も理解される結果となりました。

また報告書では、フジテレビの元会長・日枝久氏の影響力が現在に至るまで強く及んでいたことにも言及されており、役員人事にも日枝氏の意向が色濃く反映されていた様子が詳細に記されています。

今回の調査結果を受け、フジ・メディアHDおよびフジテレビには徹底した改善が求められており、同様の問題を抱える他の報道機関においても、自らの体質を見直すことが急務ですが、自浄作用はあるのでしょうか。

フジテレビジョン 第三者委員会調査報告書(公表版)

https://www.fujitv.co.jp/company/news/250331_3.pdf

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