先日公表された(株)フジメディアホールディングス及び(株)フジテレビジョンの取締役会に対する第三者委員会の調査報告書を読み私の所感を本ブログに記すことにした。
先ず、同調査報告書を作成・提出された竹内、五味、山口の三氏に私は深甚の敬意を表したい。短期間によくこれだけの詳細な調査をされ、元タレント中居正広氏の性加害疑惑の真相のみならず、フジサンケイグループの様々な問題を浮き彫りにされたことは、極めて大きな社会的意義があることだと敬服します。
本調査報告書により、私のフジサンケイグループに対するイメージは激変しました。私は約二〇年前に、ライブドアによるニッポン放送買収劇でフジ側のホワイトナイトになった。当時は私のこの行動は大義のあるものだと信じていた。
今になって、この報告書を読み、色々と私なりのリサーチをし、考え返してみたら、あの時ホワイトナイトをやるべきではなかったと思うに至った。
その最大の理由は、フジサンケイグループはこの二〇年殆ど進化しないで、現八十七歳の日枝久氏が四〇年もの間グループの実質的な代表として権力をほしいままにしてきたことだ。日枝氏や彼の取り巻きは、放送メディアという極めて公共性の高い公開企業を長期に渡り経営し、企業価値の実体は不動産という状況を創出させてきた上、著しいコンプライアンス意識の欠如した企業風土を醸成してきた。
堀江さんが経営していたら、メディアとネットの完全融合がなされ、進化した高収益会社になっていたと確信する。
私は今三月七日に金融庁と日経新聞社主催のフィンテックサミット「フィンサム2025」のキーノートスピーチで、メディア・IT・金融を融合した生態系の創出に向けたSBIグループの事業構想を発表したが、奇しくもこの構想がフジサンケイグループの再生と進化に役立つのではと考え始めている。
同グループだけでなく、日本のメディア業界全般の進化に役立つと確信している。
出来るだけ早期に同志とともにこうした私達の構想を多くの人に共有し理解してもらうため発表する場を設ける所存です。
編集部より:この記事は、「北尾吉孝日記」2025年4月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。