立憲民主党が野党の無責任に引っ張られ「食料品の消費税率0」を提言

立憲民主党の野田佳彦代表は25日の記者会見で、1年間に限り食料品の消費税率をゼロに引き下げ、その後「給付付き税額控除」へ移行する考えを示し、夏の参院選公約に盛り込む方針を発表しました。

物価高やアメリカの関税に対応するため、現実的な生活支援策が必要だと強調し、財源は赤字国債に頼らず確保する方針を示しました。消費税については、選挙にあまり強くない立民有志議員が、当面税率を5%に引き下げる提言をまとめ、執行部に申し入れていました。

野田佳彦代表 立憲民主党HPより

立憲民主党は、食料品の消費税ゼロを経て給付付き税額控除に移行する方針を決定しました。野田代表は党内の意見の違いを認めながらも、結束して行動する考えを示し、財政規律を重視しつつ生活支援の必要性を訴えました。ただし、かつて消費税増税を主導した野田氏が減税を掲げるのは自己否定であり、「減税したいなら党を出るべき」という枝野氏の主張が正論との指摘もあります。

これに対し、他党からはさまざまな反応がありました。自民党や公明党からは「財源確保の課題」や「政策一貫性への疑問」が指摘され、国民民主党からも「公約との不整合」を懸念する声が上がりました。一方、共産党は消費税減税の議論が盛り上がることを歓迎しました。

参照:立民 野田代表 “原則1年 食料品の消費税ゼロ 参院選公約に” NHK

短期的には物価高対策として給付措置も検討していますが、財源や制度設計は今後の課題です。しかし、先行事例を参考にすると、食品ゼロ税率の所得再分配効果は小さく、むしろ弊害のほうが大きいとの指摘もあります。

たとえ食料品の消費税をゼロにしても、スーパーなどは仕入れや電気代などで引き続き消費税を負担しており、そのコスト分を価格に上乗せせざるを得ません。実際に、消費税がかからない医療機関でも、経費にかかる消費税分を補うため、治療費の値上げが行われています。このため、消費税ゼロが価格引き下げにつながる保証はなく、効果には限界があるとの指摘もあります。

一方で、食料品の価格を本当に下げたいなら、消費税ゼロよりも、コメや小麦、肉などへの高い関税を撤廃する方が効果的であり、農水省のような制度温存の仕組みを廃止すべきだとの指摘もあります。

立憲民主党は、夏の参院選に向けて食料品の消費税ゼロを掲げましたが、過去に消費税増税を主導した野田代表が減税を訴えるのは自己矛盾との指摘があります。党創設者の枝野議員は「減税したいなら党を出るべきだ」と批判しており、今回の方針転換には党内外から疑問の声が上がっています。

こうして与野党ともに無責任な政策にまい進してしまうのでしょうか。