韓国の保守系与党「国民の力」は、大統領選挙の公認候補をめぐり深刻な分裂に直面しています。党内では、金文洙(キム・ムンス)前雇用労働相と韓悳洙(ハン・ドクス)前首相の間で候補一本化の交渉が続いていましたが、最終的に決裂。これを受け、党員投票が実施されたものの、韓氏への交代案は否決され、金氏が公認候補として復活しています。
韓国与党が大統領公認候補の交代案を否決、金氏が候補に復活-聯合 https://t.co/ZVHh4MmpY4
— TBS CROSS DIG with Bloomberg (@tbs_bloomberg) May 11, 2025

金文洙氏の勝利を支持する韓悳洙氏(左)と金氏
この混乱の背景には、党執行部と候補者間の対立があります。党執行部は、保守票の分裂を避けるために候補一本化を推進していましたが、金氏はこれに強く反発。党執行部の決定を「強圧的な一本化要求」と批判し、正当な予備選を経て選出された候補を交代させることは党の利益にならないと主張しました。

一方、韓氏は党員投票の結果を「謙虚に受け入れる」と述べ、金氏の勝利を支持する姿勢を示しました。しかし、党内の混乱は収束しておらず、非常対策委員会の権寧世(クォン・ヨンセ)委員長は辞意を表明するなど、党の内部対立が表面化しています。
与党トップの権寧世非常対策委員長は辞意を表明した。大統領選は、革新系野党「共に民主党」候補の李在明前代表が各種世論調査で大きくリードしている。
=共同通信— NoWaydully (@NoWaydully) May 10, 2025
この分裂は、与党の選挙戦略に大きな影響を与える可能性があります。最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)氏が圧倒的な支持を集める中、与党が候補者選定で混乱を続ければ、選挙戦で不利な立場に追い込まれることは避けられません。
韓国次期大統領候補の支持率 李在明氏52.1%・金文洙氏31.1%・李俊錫氏6.3% https://t.co/NP8a57pZBM
— yonhapnews (@yonhapjp) May 11, 2025
李在明氏にとっては進行中の裁判が「ストップ」したことも追い風となりそうです。まるで米国の大統領候補を見ているみたいです。
面白い国早く犯罪者を大統領にしろさ"韓国大統領選前に“審理ストップ”…「有力候補」「司法リスク」李在明氏の5つの裁判、すべて選挙後に" https://t.co/d6FkgGtgCO
— 杉建二 (@NUXYrv6aGg60279) May 10, 2025
トランプ氏が4年前の大統領選を覆そうとした事件、裁判手続き延期…起訴取り下げに向けた動きか https://t.co/djTRvrWT59
— 読売新聞 国際 (@YOL_world) November 9, 2024
今後、与党がどのように結束を図り、選挙戦を戦うのかが注目される。党内の対立を乗り越え、統一した戦略を打ち出せるかが、選挙結果を左右する重要な要素となると思われます。

金文洙(キム・ムンス)氏Xより