真っ当な人たちのコストを上げる「迷惑な人たち」

晴海のマンションの駐車場は地下にあり、現在は誰でも自由に出入りができるようになっています。ところが、管理組合からの提案で駐車場の入り口にゲートを作り登録された車しか入れないような仕組みを導入する提案がなされています。

現在は、ストレスなく簡単に地下まで入ることができ、自分が借りている駐車スペースまで車を移動させることができます。

ゲートができれば、駐車場の内部に入るのに時間がかかったりして毎回手続きが面倒になる可能性があります。そもそも、そのようなシステムの導入にはコストがかかり、住民に負担をさせてまで導入して欲しくありません。

今回の提案がなされた理由は、駐車場内のルールを守らない車が増えてきたことが背景にあります。

例えば、駐車場内の決められたスペース以外に長時間違法駐車を続ける車があって、邪魔になって車庫に入れられない所有者からのクレームが入っています。

あるいは違法とされている民泊の宿泊者を送迎する車が駐車場内で客待ちをしているケースもあるようです。

ほとんどの駐車場利用者はルールを守り、他の利用者に迷惑をかけないように利用しています。

ところが、ごく一部のルールを守らない迷惑な人たちの影響で、真面目にやっている人たちが対策のためのコストの負担をさせられる。

なんとも理不尽な現実です。

MEGUMI SAKUMA/iStock

このような事態を防止するためには、違法駐車や民泊のような管理組合規定に違反する行為に関係する車両に毅然とした対応をしていくことだと思います。

現在も、違法駐車には車に張り紙をする、あるいは悪質な常習犯にはエレベーター内部に違法車両の写真を掲載するといった対応をしているようです。しかし、この程度の手ぬるいやり方ではルール違反者の行動は変わりません。

違法駐車の車は警察に即刻通報して駐車違反を取り、悪質な車はレッカー移動させる。あるいは、民泊利用を目的とすると思われる車に関しても組合ルールを守らないで内部に侵入している不審者として警察に通報する。

このような毅然とした対応をすべきです。

ルールを守らないで周囲に迷惑をかけている人がのさばり、ルールを守る人たちがそれを防止するために手間や費用を負担して損をする状況は何としても避けなければいけないと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年5月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。