あるのか、衆参同日選挙:そして次の首相は誰なのか?

にわかに盛り上がり始めたのが衆参同日選挙の可能性の話題。多くのメディアは現時点ではその可能性の分析に忙しいようですが、私の興味はその場合、次の首相は誰なのか、それしかありません。同日選挙になった際の選挙結果は私なりにはほ予想はついているのですが、首相に誰が座るのかがわかりません。ただ今より良くなるだろうという気はしています。

野田代表・斎藤代表・玉木代表・石破首相 各党・首相官邸HPより

まず、衆参同日選挙の可能性ですが、私は6-7割の確率であるとみています。今回その判断のキーを握るのが立憲とされ、野田代表の判断1つとも言われます。その野田氏の後ろで吠えているのが小沢一郎氏で「このチャンスを逃す手はない」というわけです。少数与党故に野党が一丸となれば自民党を追い込めるという小沢氏の昭和型陣取りゲームの戦略は理解できるのですが、時代が変わり過ぎたのもこれまた事実。野田氏の腹が今一つ座らないとされるのは選挙に持ち込んでも勝てるのか、という自信が今一つないのでしょう。

先日、悩める野田氏のインタビュー番組を見ていて民主党の時代に野田氏と安倍氏の国会論争で解散と言い切ったあの野田氏の顔を思い出したのです。全ての判断が自分にかかっているという点であれがトラウマのようになっていないでしょうか?構図は似ているのです。野田氏が9日に日本外国特派員協会での会見の際、「次の衆議院選で政権交代できなければ党代表を辞める」と明言しました。仮に今回衆議院を解散すれば野田氏は運命の岐路に立つわけです。その思いっきりがまだ決まらないわけです。

ではいつまで待てるのか、です。ずばり6月20日だろうとみています。これは国会会期末が22日ですが、それが日曜日にあたるため、金曜日の20日という線です。石破氏のG7出席が15-17日です。私の読みとしては石破・トランプ会談で関税交渉の結果が出るのか、これがキーだとみています。

赤沢氏が毎週アメリカに通っており、今週末も最後の調整に行く見込みです。それで大筋合意できるか次第だとみています。今、アメリカは中国との交渉を優先していますが、これも今週中には一定の結論が出ます。もしも米中の落としどころが決まればアメリカとしては日本との交渉も進めるでしょう。とすれば両トップの関税交渉がスムーズになり土産となりますが、結論先送りになればこれは野党が責任内閣として能力なしと訴え、内閣不信任案を提出する格好の理由付けになります。

仮に解散総選挙となった場合、この展開の予想はたやすくないのですが、ずばり、自民党が少数与党でありながらも第1党を維持すると個人的にはみています。今の野党で自民党を超える人気があるところは残念ながらないのであります。ただ、争点は影の支配者、財務省に対して民意を代表する野党がどこまで戦えるかという構図になりそうです。

野党が主張する一時的消費税減税は財務省が頑なに拒否するでしょう。自民党も基本的にはそれに同意するのが主流派だと思いますが、高市氏は消費税減税を訴えています。とすれば高市氏は財務省にケンカを売ったわけでこれは次期首相候補としては一手、間違えたと思います。今、わざわざ言わなくてもよかったと思います。高市氏の線は大幅に後退したように見えます。

見方としては今の自民党の主流派がポジションを回復できるか、それが全てであり、石破氏と森山氏に降りてもらうことが党内の趨勢でしょう。そうなれば自民党は刷新感がでて息を吹き返す気はします。小泉進次郎効果も絶大だと思います。これで死にかけていた自民党内の勢力地図は大きく変わると言ってもよいでしょう。ただし、自民党農水族は厳しいと思います。

個人的には今の政権では内政のみならず、外交も含め、遅々として進まず、パンチ力もありません。おじいさんが子供を諭すようなスタイルはもう勘弁してほしいところです。衆参同日選挙、大いに結構じゃないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年6月10日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。