石破首相、イスラエルのイラン攻撃を「強く非難」: G7では異例?

石破茂首相は13日、イスラエルがイラン国内の軍事施設を攻撃したとされる件について、「到底許容出来るものではない」と述べ、強く非難しました。

石破首相の声明は、イスラエルによる予防攻撃を「自衛手段」として擁護したフランスのマクロン大統領の立場とは、著しく異なっております。

フランスは、イランの進行中の核開発計画を繰り返し非難し、それに対してあらゆる適切な外交手段を講じてきた。

この文脈において、フランスはイスラエルの自衛権と安全保障を再確認する。

また、イスラエルによるイラン攻撃の直前から、米国が外交官の退避を進めていたことを踏まえると、米国がイスラエルの行動を「黙認」するかたちで容認していた可能性も否定できません。

カナダのマーク・カーニー首相は、イスラエルによるイラン攻撃の権利を支持しており、イギリスのキア・スターマー首相は明確な立場を示さない曖昧な態度を取っています。

そのようななか、G7諸国の中で明確にイラン寄りの姿勢を示しているのは、日本政府のみであると言えるでしょう。

日本はエネルギー資源の多くを中東地域に依存しており、特にイラン産原油はエネルギー安全保障の観点から極めて重要です。そのため、中東の不安定化は日本にとって深刻な懸念事項であり、そうした状況を引き起こしかねないイスラエルの一方的な行動に対して、日本政府は強く非難の意を示しています。

https://twitter.com/FjokKtr/status/1933566912543535612

石破首相 首相官邸HPより

また、イスラエル寄りと見なされることによって、産油国からの反発を招くおそれがある点も、歴代の日本政府が中東紛争に対する対応方針を決定する上で大きな影響を及ぼしてきました。

たとえば、第一次石油危機の際には、当時の田中角栄内閣がアメリカの要請を拒否し、イスラエルと交戦中であったアラブ諸国に寄り添う立場を明確に示しました。

イスラエルによる挑発で中東情勢が緊迫化するなか、同国の軍事行動を事実上容認している西側諸国の姿勢について、石破首相はG7サミットの場で苦言を呈するべきではないでしょうか。