カナダで開催されたG7サミットにおいて、先進7カ国は中東情勢に関する共同声明を発表し、「イスラエルが自国を防衛する権利を有することを確認する」と明記しました。
現地時間6月16日、#G7首脳 は、イスラエル及びイランの間の最近の情勢に関するG7首脳声明を発出しました。https://t.co/orNT0ldZRs#G7Canada #G7 #カナダ #イスラエル #イラン
— 外務省 (@MofaJapan_jp) June 17, 2025
イスラエル及びイランの間の最近の情勢に関するG7首脳声明(和文):https://t.co/MW7slaueUv
なんか、すごいこと書いてある
Genocide7 pic.twitter.com/nEYqWI17ph
— 清水泰雅 (@steco_shimizu) June 17, 2025
しかし、国内外の報道機関の記事のタイトルではイスラエルの自衛権が事実上「支持」されたと報道されており、G7諸国が出した曖昧な表現がいまいち理解されていない可能性があります。
G7共同声明、イランの核保有認めず イスラエルの自衛権は支持
https://t.co/zTwUTKCFV4— AFPBB News (@afpbbcom) June 17, 2025
G7が中東情勢で共同声明…イスラエルの自衛権を支持、イラン核保有「容認しない」立場を強調https://t.co/hEINQtxfxu#国際
— 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) June 17, 2025
イスラエルによるイラン攻撃が発生した直後に、イスラエルの自衛権を「支持」する立場を明確に示せば、G7諸国が違法な予防攻撃を容認しているとの印象を国際社会に与えかねません。その点を考慮し、G7の共同声明では「イスラエルが自衛権を有することを確認する」と表現されており、原則論にとどめることで、イスラエルの行為そのものの是非には踏み込まない姿勢を示していると推察されます。

G7カナナスキス・サミット 首相官邸HPより
しかし、イスラエルは、自国の国際法違反の軍事行動が「容認」されたと受け止めています。G7の努力が水の泡です。
さらに注目されるのが、石破茂首相の対応です。首相は当初、イスラエルによるイラン攻撃を「強く非難」する声明を発表しました。しかし、G7声明への署名後には、イスラエルの自衛権を「確認」する立場に転じた形となり、結果的に当初の批判的姿勢を事実上撤回したとも受け取られかねません。
【本日読まれた記事・第3位】
アゴラ編集部:石破首相、イスラエルのイラン攻撃を「強く非難」: G7では異例?https://t.co/0D7gtoTIFB…— アゴラ (@agora_japan) June 16, 2025
また、米国の影響が声明の文言選択に影響を与えた可能性も指摘されています。トランプ政権はG7共同声明への署名を拒否する意向を示しており、その影響で声明の内容が米国の立場に配慮したものになったのではないかとの見方もあります。
トランプ氏、イランとイスラエル巡るG7共同声明に署名しない意向 https://t.co/7BPTJzonCK
— TBS CROSS DIG with Bloomberg (@tbs_bloomberg) June 16, 2025
G7声明に難色示していたトランプ氏、「国際法順守」削除で合意…イラン核兵器保有を認めない立場で一致https://t.co/ekDnlA2B9m#国際
— 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) June 17, 2025
実質的に日本がイスラエルのイラン攻撃を「容認」したと受け止められても仕方ありません。
今回の声明は、G7の結束と中東政策の方向性を示す一方で、日本の外交的立ち位置の不透明さを浮き彫りにしました。今後、日本がいかにして「支持」と「確認」の間でバランスを取るのかが問われています。

G7カナナスキス・サミット Wikipediaより






