私立文系に黒船襲来?:文科省、理系人材100万人不足で私大助成を再配分

文部科学省は、私立大学への助成金の配分を見直し、理系の学部にもっと手厚く支援する方針を決めました。将来、理系の人材が100万人も足りなくなると予測されている一方で、文系の人材は35万人も余ると見られています。こうした状況に備えて、文系に偏りがちな私立大学の学部構成を見直し、社会が求める理系の人材を増やしていこうという考えです。

理系の学部は、研究設備や実験などにお金がかかるため、私立大学では敬遠されがちです。学費も高くなりやすく、学生にとっては負担が重くなります。そうした事情から、理系の学生が減っているという声もあります。実際、日本の大学生のうち理系に進む割合は、欧米と比べてかなり低いのが現状です。

今回の方針では、助成金の計算基準となる「単価」を理系学部で引き上げ、教員や学生が多い大学により多くの支援が届くようにします。すでに2023年度から一部で見直しが進んでいて、今後も継続的に支援が強化される予定です。これによって、私立大学が理系学部を新設したり拡充したりする動きを後押ししたいとしています。

一方で、文系に偏ったFラン大学(偏差値の低い私大)に助成金を出し続けることへの疑問や、まずは国立大学の理系支援を優先すべきだという意見もあります。

また、理系分野といっても、ITだけでなく電力、土木、原子力などの基礎インフラ系も重要で、分野ごとに人材ニーズをきちんと見極める必要があります。

さらに、高専(高等専門学校)や工業高校のような実践的な教育機関の強化も、将来的な人材不足に対応するためには必要だという声もあります。

文科省は今後、大学の数や規模をどうするかといった全体的な見直しも進め、夏までに新たな支援の枠組みを発表する予定です。理系人材をどう育てるかは、日本の将来にとって大きな課題になっています。

そもそも学習にはある程度素養が必要だと思われますが、いつもの文科省の皮算用にならないといいですね。

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