自民・鶴保庸介予算委員長「運のいい地震」発言で選挙戦に大打撃

自民党の鶴保庸介参院予算委員長が、参院選の応援演説で「運のいいことに能登で地震があった」と発言したことで、与野党から批判が相次ぎ、参院選の情勢に大きな影響を与えています。鶴保氏は翌日に謝罪と発言の撤回を表明しましたが、記者会見では時折薄笑いを浮かべる場面もあり、元議員などからは「火に油を注ぐ」との声も上がっているそうです。

自民党内からも厳しい声が相次ぎ、公明党の斉藤代表や石川県の馳知事は発言を強く非難しています。野党も反発を強めており、立憲民主党の野田代表は「失言のレベルではない」として、政権批判を強めています。能登の被災者からも「許しがたい」「悲しい」といった声が上がっており、発言の影響は深刻です。

この発言は、与党が参院で過半数を維持できるかが微妙な情勢の中で発生しました。中でも和歌山選挙区は、自民党内の保守分裂に加え、維新や無所属候補、さらに参政党まで含めた7人が争う激戦区となっており、情勢は一層混とんとしています。特に、鶴保氏と近い立場にある世耕弘成氏に近い候補が無所属で出馬しており、自民票の分散も懸念されています。

一方、野党側も候補者調整が不徹底で、立憲民主党は維新に候補を譲ったものの、共闘には至っておらず、支持の一本化は進んでいません。こうした中、参政党も支持を伸ばしつつあり、和歌山選挙区に限らず1人区の情勢は予断を許さない状況となっています。

鶴保委員長は一連の発言を陳謝・撤回していますが自民党の選挙戦略や政権の防災政策に対する信頼性にも影響を与えるものとなっており、今後の選挙戦に大きな波紋を広げています。

鶴保庸介参議院議員 NHKより