読売新聞は、生成AIを使った検索サービス「Perplexity(パープレキシティ)」が自社記事を無断で利用しているとして、約21億円の損害賠償と利用差し止めを求め、東京地裁に提訴しました。日本の大手報道機関が生成AI企業を訴えるのはこれが初めてです。
生成AI検索サービスで記事を無断利用、読売新聞が米新興企業に21億円の賠償請求https://t.co/8Go8tQV8Nm#ニュース #生成AI #無断利用 #賠償請求
— 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) August 7, 2025
Perplexityのサービスでは、ユーザーの質問に対してAIがインターネット上の情報を要約して回答を提示し、引用元リンクも表示されますが、多くの利用者は要約に満足し、リンク先のサイトを訪れなくなります。このため、読売新聞は自社のサイト閲覧数と広告収入が減少し、記事制作の継続が困難になると主張しています。

Kenneth Cheung/iStock
こうした動きは、より大きな問題の一端とされています。近年、AIチャットボットの普及により、ユーザーは従来の検索エンジンではなく、AIによる回答を得るようになっています。その結果、Webサイトへのアクセスが減り、広告収入の低下に直結しています。
AIがウェブを消滅させる? サイトの閲覧数が減り、コンテンツが干上がる
Googleはオワコン化しつつある。GoogleもAI機能を強化しGeminiを出しているが、オワコン化を早める。https://t.co/Sp8lMPpCKn
— 馬場正博 (@realwavebaba) August 2, 2025
推定では、検索エンジンからの月間トラフィックが過去1年で15%減少し、科学、教育、健康などの分野では10~30%台の減少も報告されています。
AIは利便性を高める一方で、情報源となるサイトからユーザーを遠ざけ、情報の供給そのものを干上がらせるリスクをはらんでいます。コンテンツが減れば、正確で信頼できる情報へのアクセスも損なわれる恐れがあります。
SEOツール大手 Ahrefsの調査によるとGoogle検索の要約機能「AI Overview」は検索クリック率を34.5%減少させるという推計も。
自分もGoogle検索そもそもしなくなった上に、検索したとしてもAI要約で解決するので全然違和感ない、むしろもっと減少させてそう。https://t.co/rpvrxh5Lkw
4/11 pic.twitter.com/VJRY3ja5JV
— 梶谷健人 / POSTS (@kajikent) August 4, 2025
こうした懸念に対し、Googleは「AIによる概要表示後もWebサイトへのクリック数は安定しており、むしろクリックの質は向上している」と説明し、その影響を否定しています。
Google、「AI検索導入後もクリック数は安定」 Webサイトへのトラフィック減を否定https://t.co/YJKLSLpygH
— ITmedia NEWS (@itmedia_news) August 7, 2025
しかし、米ピュー・リサーチセンターの調査では、AI概要が表示されるとリンクのクリック率が下がるという結果も出ており、Googleの主張に対しては懐疑的な見方も少なくありません。
グーグル検索のAI要約はクリック率を下げるのか–調査結果が公開 https://t.co/njI87DGgyV
— CNET Japan (@cnet_japan) July 23, 2025
GoogleはAIのWebへの貢献を強調していますが、実際にはトラフィック減少に直面しているサイトが増えており、AIがもたらす構造的な変化を過小評価することはできません。Webという情報インフラの持続可能性が問われている今、Googleの楽観的な説明だけでは十分とは言えない状況です。






