おいし〜〜〜!
タマネギの甘味凝縮でパンとろっとろの、かなり上出来なグラティネ・デ・アール(オニオングラタンスープ)と、ヴィネグレットの味が絶妙の緑アスパラガス。
ブッフブルギニヨンの要領でカオールワインで煮込んだ牛の肩肉は、とろんと柔らかく軽い酸味が効いた(マスタードかな?)ソースも見事。アヴェイロン産仔豚のスペアリブのコンフィは、とろけるような肉と脂、脂の表面パリッパリで、最高!オレンジ風味のアンディーヴも美味。
こういう、ザ・ビストロ、な感じのブルジョワ料理がきっちりおいしいのって、ほんといいよね。

ブイヨンのコク、パンのとろけ具合がたまらないグラティネ・デ・アール

ガイヤックのプチプチで乾杯
ワインリスト、短いけどなかなかマニアックでグッとくる♪





奥深いのにさっぱりしたソースが見事な牛肉煮込み
お肉もとろとろ

今日イチ感激した仔豚
出てきた時、あまりの巨大さに、ひ〜って言っちゃう
無理だよ、こんなの食べ切れるわけない…

お箸で切れそうなほど柔らかくコンフィールされた仔豚、絶品
なんやかんや、ほぼほぼ完食!
「ル・コション・ア・ロレイユ」は、100年以上前からある老舗ビストロ。20〜30年前に何度か来たことあったけど、当時は普通のビストロだった。今のシェフ、テオ・アポストルスキは2〜3年前にここを買ったそう。
ガストロノミー&ビストロノミーでたっぷり経験つんだテオの料理は、ごくシンプル、そしてなんかおいしさの本質極めてて、とっても好み。


歴史的建造物に指定されてる内装は、100年前のレ・アール(パリ中央市場)の当時の様子を物語ってて面白い。
横の席の超常連お爺様(このエリアの主みたいで、ゾラの小説に出てきそうな雰囲気)が、夜中1時にちっちゃな貨物列車が毎日ここまでパリ近郊の野菜を運んでいたことや、クロシャー(浮浪者)という言葉の語源がこの市場の鐘だったことなんかを教えてくれる。
おしゃべりさん、美食とレ・アールの話を、食事中ずーっとしてくれる。

常連爺様
ゆ〜っくりアペリティフのウィスキーを飲んでから、パテに取り掛かる

壁を飾るタイル画が、レ・アール(パリの卸市場)の歴史を物語る

エミール・ゾラの”パリの胃袋”を読んでいるよう
ヴァニラ&シナモンを香らせたラムをたっぷりかけたババオラムを食べる頃になると、シェフも厨房から上がってきて、おしゃべりに参加。テオシェフ、おいしそうなもの作ってくれそうなオーラに溢れてる♪
美食&料理人たちの話題で大盛り上がりし、”そろそろ帰ろうか”と言い始めてから、気づけば1時間経ってる(笑)。おいしい話は、尽きないね。
ウィスキーアペリティフから始まりワイン2杯飲んだ常連爺様は、食後に、カフェ・カルヴァ(エスプレッソ&カルヴァドス)を啜ってる。古き良き時代のパリ感、満載。
いや~、いいお店ね。またすぐ来たい。ご飯食べに&爺様とシェフとおしゃべりしに。



おしゃべり大好きなテオシェフ
絶品お料理、ブラヴォ!

常連爺様の食後は、カフェ&カルヴァ

常連爺様が、外のマルシェで買ってプレゼントしたばかりのチップ用の仔豚貯金箱
使い始めさせてもらう
とってもよいお天気。すぐそばのレ・アール跡地の公園は日向ぼっこの人がたくさん。桜も林檎も花盛り♪

この辺り一帯が、”パリの胃袋”と呼ばれた巨大なレ・アール(市場)だった
16世紀にはすでに市場が出ていたそう
数年前に大開発して、今は緑豊かな公園


林檎の花、大好き
編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々6」2025年4月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々6」をご覧ください。






