パリ国立オペラ座バレエ、「エヤル(エイヤル?)、エク」。
シャロン・エヤル「死の方へ」。ちょっと冗長だけど、ソフトテクノっぽい音楽や、赤が印象的な照明とともに、人間の体の線と動きを見せる振り付けは、それほど悪くない。
日記見直すと、2011年に振付た「牧神たち」にも、同じような感想書いてる。この配役だと長すぎると感じるけど、ちゃんと魅せられるダンサーが揃えば、もう少し見応えが出る気がする。
コンテンポラリー得意なダンサー多く揃えた配役ではあるけれど、いかんせんみんなコール、存在感に欠ける。
そんな前半を経て、今宵はみんなこれだけを楽しみにきた(であろう)、マッツ・エク「アパルトマン」
2000年5月、初演の舞台を、今でも強烈に覚えてる。こちらもまたちょっとテクノ系というかサンシュエルに心に響くライブ演奏に乗って、強烈な存在感とオーラをまとったマリ=アニエスが、信じられないほど流動的なジョゼが、雰囲気たっぷりでしなやかなカデールが、躍動感に満ちたアレッシオが、エクダンサー筆頭のセリーヌと完璧なニコラが、目の前で、息をするのを忘れるほどの感動と興奮と高揚をくれた夜。
あのとき、エクに完全に惚れ、カデールに惚れ直し、オペラ座バレエ最高!って心から思った。あれから、時間が経ったね…。
2000年5月27日
アパルトマンのクレアシオン
マッツ・エクが若い〜
記念すべき、クリエーション公演の配役表
このシーズンは一度しか見なかったけど、2〜3年後の再演時にはたっぷり堪能した 配役表見返すと、ニコラが”テレビ”、ジョゼが”キッチン”なんていう第二配役もなんどか観てる。記憶がない…。
今夜は、今のオペラ座最愛の女性ダンサー、リュドミラ・パリエロのアデュー公演。いい演目選んでくれてよかった。
無音の幕をくぐっての登場時から、割れんばかりの拍手とブラヴォー!私も、精一杯手を叩いて声を張り上げる。
前回は”扉”踊ったのしか見てないので、彼女の”ビデ”、初体験。マリ=アニエスの迫力には敵わないけれど、エクのコードは完璧。リュドミラの最後の舞台を、必死に目に焼き付ける。
ユゴの”テレビ”、悪くないけど、表情も動きも何もかもが完璧だったジョゼがデフォルトなので…。ユゴだとどうしても、”踊ってます”な感じに見えてしまう。イダ&マルクの”扉”もそれなりにいいけど、こちらもセリーヌ&ニコラが頭にあるので、ね。
”キッチン”の二人は、見なかったことにする。初演時の配役が好みでなかったブルー&ピンクの、パブロ&ハナはなかなか素敵。そして脇役に入ったジェルマンが、美しすぎる。このパート、初演時と振り付け&音楽が変更になってる。いつ変わったんだっけ?
リュドミラのアデュー公演なので、新旧ダンサーたち(やエク夫妻)の姿もたくさん。アントラクト時、ニコラ&クレルマリ夫妻やアレッシオに、最高だった初演の夜のお礼を言わせてもらう(なんなら踊って欲しかったよ、ジョゼも含めて)。
ニコラ〜。オペラ座バレエの黄金期の一つを作ってくれたね
割れんばかりの拍手の中、リュドミラのアデューが始まる♪
アデューの様子は、次の投稿で
編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々6」2025年4月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々6」をご覧ください。