退陣表明をした石破首相が「戦後80年見解」を国民に向けて発表の断末魔

石破茂首相は、戦後80年の節目にあたる「首相見解」を在任中に発表する方向で調整しているとのことです。当初は国連総会での公表も検討されていましたが、国内での発表になるようです。

しかし、自民党は10月4日に臨時総裁選を予定しており、退陣表明による求心力低下から「この局面では発表は難しい」との見方も政権内にはあります。もともと石破首相は私的諮問機関を設けて戦争検証に取り組む意向と報じられていましたが、政府内で地道な調査や準備が進んできた形跡はなく、発表の根拠が不十分との指摘もあります。

石破首相 首相官邸HPより

石破首相が見解を「自身の遺言のように考えている」とされる一方で、自民党保守派は安倍元首相の70年談話を重視しており、首相独自の見解には反発が強まっています。

衆参両院選挙で大敗し国民の支持を失った首相が、なお見解発表や解散を模索する姿勢は独裁的との指摘も強く、出すのであれば退任後の私的見解にとどめ、これ以上国民や外交に混乱を与えないよう自民党が阻止すべきだという厳しい意見が広がっています。

さらに、石破首相が談話にこだわる背景には、安倍元首相の70年談話を上書きして存在感を残したいとの動機があるのではないかとの批判もあります。

退陣表明後に「石破見解」を出せば、総裁選の最中に歴史認識論争を引き起こし、重要な政策課題や党改革、新たな連立政権構想が後回しになる懸念があります。諸外国からは「日本国首相の公式声明」と受け止められ、従来の首相談話と齟齬が生じれば外交上の混乱も予想されます。