小泉進次郎候補、郵便局の国費支援に前向き:父・純一郎氏の民営化路線を修正か

かつて「自民党をぶっ壊す」と叫んだ父の改革を誇りにしつつ、その象徴だった郵政民営化を「時代の変化」を理由に見直す構えを見せる小泉進次郎氏。総裁選を前に、父の遺産を掲げながらも票田に手を伸ばす姿勢は、理想より現実を優先する世襲政治家の巧みな計算がにじむ。

  • 小泉進次郎農相は27日、都内で郵便局長らと意見交換会を開き、郵便局ネットワーク維持のため国費支援について「否定せず前向きに考えたい」と発言した。
  • 自民党は公明・国民民主両党と共同で、郵便局支援を含む郵政民営化法改正案を提出しており、小泉氏は野党の出方を見ながら対応を決める考えを示した。
  • 地域疲弊や人口減少を背景に、郵便局を「地域を守る核」と位置づけ、マイナンバーカード交付や農協手続きの窓口機能など多用途化の必要性を強調した。
  • 父・純一郎元首相が推進した郵政民営化については「父がやったことだからびた一文変えさせない総裁の下には一致団結できない」と述べ、方向性は維持しつつも「時代の変化」に応じて見直す余地を認める二重の立場を取った。
  • かつて父が激しく対立した郵政関係者が多く党員票を抱えるため、郵政票を取り込むべく和解ムードを演出し、支持獲得を狙う算段がうかがえる。

父の改革精神を持ち出しながら、同時にその象徴だった政策を現実的に修正しようとする小泉進次郎氏。かつて敵視した郵政票に秋波を送り、総裁選での支持を狙う姿は、理想よりも党員票という現実を優先する世襲政治家の割り切りと老練さを際立たせている。

小泉進次郎候補(自民党HPより)と純一郎元首相(首相官邸HPより)