10月から暮らしが一変:医療費・電気・食品…家計直撃の値上げラッシュ

食品や飲料、電気・ガス料金など、日々の生活に欠かせない品目の値上げが相次ぎ、家計への負担増が避けられない。加えて、医療費や自動車保険料の引き上げ、ふるさと納税やNHKネット配信サービスの制度変更など、広範囲に影響が及ぶ。

背景には、原材料・エネルギー価格の高騰や政府補助金の終了、そして企業のコスト増があり、日常生活のあらゆる領域に値上げの波が押し寄せている。一方で、育児や学び直しを支援する制度が新設されるなど、働き方や教育面での支援も始まる。

以下に主要な変更点を整理する。

主な変更点

医療費の自己負担増

  • 75歳以上で医療費2割負担の一部世帯は、外来の負担上限(月3000円)を設けていた特例が終了。
  • 約310万人が影響を受け、年平均で約9000円の負担増となる見込み。

働き方支援とリスキリング制度の拡充

  • 企業は、3歳〜就学前の子どもを持つ社員にテレワークや時短勤務など2つ以上の措置を義務化。
  • 教育訓練休暇給付金が新設され、30日以上の無給休暇で学び直す際、賃金の5〜8割を最長150日支給。

食品・飲料・酒類の大幅値上げ

  • 10月は飲食料品の値上げが3000品目超に達する見通し。
  • 飲料:アサヒ、キリン、サントリー、コカ・コーラなど主要各社が4〜25%値上げ。500mlペットボトル飲料は1本200円前後が主流に。
  • 加工食品:サトウ食品のパックごはんや切り餅が11〜29%、タカノフーズの納豆・豆腐が10%以上上昇。
  • 菓子:グリコのポッキーなどが10〜15%上がる。
  • 酒類:白鶴、月桂冠など日本酒を中心に5〜20%の値上げ、焼酎なども対象。

電気・都市ガス料金の上昇

  • 政府補助金が9月で終了し、大手電力10社・都市ガス4社はすべて値上げ。
  • 東京電力は平均的家庭で月520円高い8652円。
  • 都市ガスは東京・大阪などで172〜222円上昇。

保険料・サービス改定

  • 東京海上日動火災保険は自動車保険料を平均8.5%引き上げ。年2回の改定は異例。
  • ふるさと納税は自治体のポイント付与サイト利用が禁止され、楽天は国を提訴中。

NHKのネット有料化

  • 放送法改正により、NHKは有料ネット配信「NHK ONE」を開始。
  • 受信料契約者は追加負担なしだが、未契約者は利用不可。緊急時は無料視聴が可能。

10月からは、医療費や光熱費、食品・飲料など、生活に密接する幅広い分野で値上げが同時進行する。原材料やエネルギー費の高騰、補助金終了など構造的要因が背景にあり、家計は一段と厳しくなる。

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