お待ちかね、自民党総裁選いよいよ

アサヒビールがサイバー攻撃で厳しい状況に追いやられています。ランサムウェア型とされ、復旧のめどはたっていません。思えば昨年はKADOKAWAが酷い被害にあり、HOYAやカシオ計算機も被害にあっています。アサヒビールの場合、飲食店向けが出せなければ瞬く間に他社に取って代わられるわけで激しいシェア争いの中、他のケースとは影響度が違います。世の中の進歩と共にサイバー攻撃で全社的に機能が停止した場合の対策である手動オペレーションをほぼ知らない若手社員は呆然と立ち尽くすという感じなのでしょうか。企業や個人のテクノロジー信仰過多へのリスクの警鐘とも言えそうです。

では今週のつぶやきをお送りいたします。

本来は雇用統計の日であったはずだが…

第1週の金曜日はアメリカの雇用統計の発表で金融市場ではその数字に注目が集まり、金利変動が占われ、囃す時もあればショックとなる時もあります。しかし、現在、アメリカは債務上限問題で政府機関が止まっているため、雇用統計の発表も暫定予算がつくまで発表されません。政府関係の職員75万人は一時休業になっています。議会で共和党と民主党の折り合いがつかず、特に民主党が主張する医療保険関係の支出継続がその争点となっています。

世論の声はトランプ氏と共和党側が悪いとする声が半数近くを占め、民主党が悪いとする30%程度の声と大きく差が出ています。よってこの政府機関停止が長期化すればするほどトランプ氏には分が悪いのですが、トランプ氏はこれを利用して民主党の牙城であるシカゴの鉄道関連予算を凍結する見込みです。トランプ氏は数か月前には諸外国を相手に関税という武器を振り回しましたが、今度は国内で政府予算を絞り上げ、民主党たたきに打って出ています。

一方、株式市場は「そんなこと、どこ吹く風」という具合で金曜日も快調に株価が上昇しています。一部の人はおかしいと思っているでしょう。私もおかしいと思っているのですが、株価が勝手に未知の世界を突っ走っている感じで気持ち悪さすらあるというのが正直なところです。ただ、正直、この水準から買い増しや新規投資はさすがに手が出ず、私の場合、現金比率も高まっています。アメリカもカナダも日本も踊り疲れるまでそう長くはない気がしますが、ゴールドマンサックスのCEOは来年までさらに加速すると示唆しています。さてさてどうなることやら。

お待ちかね、自民党総裁選いよいよ

ここまでくるとエンタメのショーのようなものでしょう。私もテレビの生放送を追っかけるつもりです。決戦投票進出の組み合わせの予想が面白いと思います。小泉VS高市、小泉VS林、高市VS林 の3つの組み合わせが有力視されています。5人立候補していますが、残念ながら茂木氏、小林氏の目はなさそうです。個人的には高市VS林の組み合わせの可能性もかなり低いと思います。つまり、党員票でも小泉氏が決勝に残れない理由はないというわけです。

小泉進次郎氏インスタグラムより

議員票だけ見れば小泉氏が有利に見えますが、仮に小泉VS林の組み合わせになった場合、読みにくいと思います。私の予想は麻生派は小泉氏へ、旧岸田派は自由投票、保守派は割れると見ていますが、林氏が中国寄りであることから小泉氏が有利ではないかと思います。高市氏は議員票では勝てないと思います。これは昨年の総裁選の時もそうでしたが、ガチガチの保守は政策的に怖すぎるので日本の利益に向かないとみる議員が多いのだと思います。もちろんその念頭は中国、北朝鮮、韓国の外交関係であります。保守の目指す原理原則論に対してビジネス層が「頼むからもめ事はよしてくれ」ということでしょう。

保守層からブーイングの出る小泉氏が仮に総裁になった場合、首相に順当に進むと思います。高市氏だと結束していない野党が団結する公算が出てくるかもしれません。小泉氏が組閣する場合は閣僚候補の選択肢はかなり広がるため、オールスター戦で臨める可能性はあります。あとは小泉氏のブレーンを誰にするか、であります。彼はまだ若いのでお父様が首相になった時ほど頑固一徹という感じではなく、周りの声を聞くチカラはあります。個人的には目付け役として岸田氏を副首相兼外務大臣あたりに持ってくる人事は大いにアリだと思います。麻生氏が次の選挙に出ないと決断する可能性も出てきそうです。

衝撃だったオープンAIのSora

オープンAIの動画生成AIのSora(ソラ)は日本語の「空」がその名前の由来であります。そのすさまじさに唖然としてしまいました。「〇〇に似せた動画を作れ」と指示すればそのような動画が瞬く間に作成されるため、著作権はあってないものになってしまいます。今までは「偽物だ、捕まえろ」でどうにか対応できましたが、Soraやこれに似た動画生成AIができればもはや追いかけることが不可能になるでしょう。それよりも日本発のアニメは世界どこからでも発信できてしまう時代になります。「日本のアニメに似せて動画を作れ」とコマンドするだけなのですから。

更にその精度の良さも衝撃的でした。例えば「渋谷のスクランブル交差点でひろが踊っている動画を作れ」とやれば瞬時にあたかもひろがスクランブル交差点で観衆を前に踊っているシーンを作れてしまうのです。しかもそれがリアルで私の顔もそっくりにできます。こうなるとテレビドラマにでる俳優は必要なのでしょうか?あるいは大金をかけて製作する映画を見る価値があるのでしょうか?あらゆる俳優がAIで生成され、どんな美男美女でも産み出せてしまうのです。

これが普及した時、新たなる詐欺や騙しテクニックとして犯罪にも使われるでしょう。ですが私が恐れているのは社会へのインパクトがあまりにも大きい気がするのです。絵を描くことに自信があった少女も漫画家を目指すことを止めるかもしれません。歌って踊れるアイドルを目指す子たちもAIの一糸乱れぬダンスの方が優れているからやる気をなくすかもしれません。そう、私が懸念するのは若い人たちに夢をどう与えるか、ここが疑問なのです。「将来何になりたい?」と聞いた時、「うーん、わかんないな。僕ができる仕事なんてないのかもしれない」と答える子が続出するならまさに「君たちはどう生きるか」をもう一度考える時とも言えるないでしょうか?

後記
今回、日本に行くときに持っていった弊社扱いのカナダ産マツタケは好評でした。こちらに戻ってきて再び取引先のところに行くと「今年はもう終わり」宣言でした。山火事の影響もあったようで質は良かったのに収穫エリアが限られ思う存分販売させて頂くわけにはいきませんでした。日本産マツタケは今年は北海道を除きほとんどとれず、価格はキロ15万円ほど。カナダ産はグレードが2-3等級ならキロ5000円程度。香りは良く、風物詩ですが、爆食いするものでもないので冷凍庫保存で一年を通して食べられるのですが、毎年、シーズンを過ぎるとなぜか食べるのを忘れてしまいます。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年10月4日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。