「稼ぐ場所」と「使う場所」を間違えてはいけない

円安外貨高になると日本人が海外に出かけた時、物価の高さを痛感します。逆に海外に住んでいる人は円安の恩恵を受けることになります。

これは日本人と外国人では「稼ぐ場所」と「使う場所」が真逆だからです。

日本人は円で稼いで外貨で使う。外国人は外貨で稼いで円で使う。

その結果、日本人は稼ぐ通貨の価値が下がり、使う通貨の価値が上がる。外国人は通貨の価値が上がり、使う通貨の価値が下がることになります。

日本人の経済的貧困が進むのは当たり前です。

では日本人はどうしたら良いのでしょうか?答えは簡単です。

外国人と同じように、外貨で稼ぐ仕組みを作れば良いのです。

外貨で稼ぐためには自分が海外に行って働く必要は必ずしもありません。自分の持っているお金に海外で稼いでもらえば良いのです。

その意味では日本の個人投資家の外貨投資という流れは理にかなった投資行動と言えます。

例えば、NISAの枠を使って海外株式の投資信託を購入する。日本経済新聞電子版に掲載された先月の国内投資信託の資金流入状況(図表)を見ると、外国株式などの外貨投資を行う投資信託に資金が流れていることがわかります。

あるいは、海外不動産を購入して、外貨で家賃を受け取り日本で使う。

そうすれば豊かに生活することができます。

実際私も外国株式のインデックスファンドに積立を行い、世界9か国に不動産を所有することによる家賃収入を外貨で得ています。

株価が上昇し家賃が年々アップしている優良物件もあり、円安もあって定期的な外貨収入が膨らんでいます。

国内で円で給与を受け取り、海外の物価が高いと文句を言う前に、このようにお金に外貨を稼いでもらうための知恵を働かせてはどうでしょう。

現状に文句を言って他責にするのは簡単ですが、行動しなければ問題解決することはなく何も変わりません。

自分の今を決めているのは、自分の過去の行動です。そして自分の未来を決めるのは、自分の今の行動なのです。

metamorworks/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年10月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。