船田元議員、あなたは何を言っているのか?

正直、開いた口が塞がらなかった。船田元議員のFacebookを見た時の話だ。

「高市総裁に一度退いていただき」——読み進めながら、スマホを持つ手が震えた。呆れと、それから何というか、深い失望。

責任のすり替えにも程がある

「総総分離」? 何それ。石破さんには総理を続けてもらって、高市さんには総裁を辞めてもらう? 小学生の学級会かよ。待て待て、冷静になろう(なれるか)。

そもそも公明党が連立離脱した理由は何だったか。政治とカネ、だろう。あの問題を1年間——丸々1年だぞ——放置してきたのは誰だ? 石破・森山ラインじゃないか。

思い出してほしい。公明党は石破政権で首班指名に参加した。その時点で責任を負った。でも石破政権は何をした?

高市さんは何て言ったか。斉藤代表に「この議論に参加していなかったので、党内できちんと議論する時間をください」と訴えた。でも了解されなかった。

要するに——高市さんは前政権のツケを押し付けられてるだけなんだよ。

しかも、党員投票で選ばれた総裁だぞ。正式な手続きを経て。

それを所属議員が公然と「辞めろ」と言う。Facebookで。公開で。

(ちなみに船田さん、あなたは2012年の総裁選で石破さんを支持してましたよね。地方票で負けた時のこと、覚えてます? あの時は民主主義を尊重しなかったんですか? まあいいや、話を戻す)

批判すべき点があるなら批判すればいい。でも、何を批判するんだ? 高市さんは就任して何日経った? 1週間も経ってない。何をしたっていうんだ。何もしてない、だろう。

デマや虚偽情報で引きずり下ろす。これのどこが民主主義だ。前近代的な派閥政治じゃないか。

一部からは「大臣を辞任させれば」「第三者機関を作れば」という声も出ている。

無理だって。今さら何をやっても公明党の信頼は戻らない。1年間放置した、その事実は消えない。

昨日コンビニで週刊誌の見出しを見た。「自民党、空中分解か」。笑えない。でも、まあ、そう見えるよな、客観的に。

組織にはルールが存在する

政党交付金は1月1日時点の所属議員数で決まる。つまり…わかるよね?——年明け早々に処分すれば、その年の交付金への影響は最小限だ。

心機一転、新体制で再出発。ストーリーとしても悪くない。

というか、もう膿を出し切ろうよ。イデオロギーが合わない議員、派閥の論理で動く議員。無理に抱え込む必要、ある? 理念が違う者を入れておくから、メッセージが弱くなる。有権者に伝わらない。

(学校のセンセイがよく言っていた。「合わない人とは無理に付き合うな」。政治の話じゃなかったけど、今なら分かる)

自民党は今、岐路に立っている。

派閥の論理を優先するか。民主的に選ばれた総裁への異論を黙認し続けるか。

それとも…

明確な理念のもとに、党の規律を立て直すか。

後者しかないだろう。いや、違うか。前者を選ぶ議員もいるんだろうな、実際。でも、それじゃ未来はない。保守政治の未来も、ない。

党の規律が保たれなければ、信頼は失われる。

当たり前の話を、当たり前にやる。それだけだ。今こそ、だろう?

尾藤 克之(コラムニスト、著述家)

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