高市早苗総理になるか?:就任後はいばらの道の始まりだが

毎日のように報道されるのがクマの被害。日本では怖い霊の書籍がブームになっているのですが、幽霊屋敷よりも1人で森に入るほうがもっと怖いと思います。日本の知人がハイキングに1人で行くというので人がたくさん歩いているコースにした方が良いと助言しました。秋のハイキング日和の時期ですが、ちょっと気が引ける方も多いでしょう。画像を見る限りどう見てもクマの通常の習性とは違い、明らかに凶暴でクマの神経が過敏になっているように感じられます。カナダとは違うと思います。腹が減っていてイライラしているようにも感じます。夏が暑く、餌がなかったからでしょうか?

では今週のつぶやきをお送りいたします。

株式市場は調整局面か

21日に首相が決まりそうで、現状からすると高市氏の公算が相当高いと思われます。東京市場は10月6日の爆上げで高市トレードが実質的に完成した形でその後、もみ合いが続いています。21日の高市氏選出も既に織り込まれており、むしろ次の課題に目線が移っていきます。高市氏の真のリーダーシップ、未知数の外交交渉力、維新との約束事をどこまで実行できるか、さらに党内の説得と力関係の調整にエネルギーを割かれるとみています。よって政治による株価へのインパクトは当面ゼロバイアスで、決算期に入ってきているので企業業績の発表にシフトしていくでしょう。

アメリカ市場についてはダウが10月3日、ナスダックが10月10日に高値をつけその後、調整入りしています。また地銀の不正融資やファクタリングの疑惑を指摘する動きもありますが、一時的なもので終わるとみています。むしろ経済統計が全然出てこない中で11月6-7日のFOMCで利下げが行なわれるか、その読み合いになりそうです。CPI(消費者物価指数)は通常、月半ば発表ですが、今月は24日に発表延期、また仮に何らかの数字が発表されても精度は悪いだろうとみられています。つまり信用するに足りないというわけです。

ここカナダの景気も正直よくありません。特に悪いセクターが不動産、建築です。私の隣人は破産弁護士で彼と立ち話をしていたところ不動産デベロッパーの破綻が相次いでおり、その処理にてんてこ舞いだと。バンクーバー地区の自治体が発行する建築許可数に対して実際に工事が進捗しているのはおおよそ半数しかありません。住宅も売れない異常事態です。州営の酒販店とカナダ全土の郵便局のストライキも続き、その歪みは多大なる経済的影響を及ぼし、人々は戸惑いすら感じています。踊る株価をみても私にはこれは幻想ではないかと感じてしまいます。

高市総理になるか?

野党内の駆け引きと自民党の必死の交渉が最後の攻防となってきてました。維新の気持ちは7割方自民党に傾いているのですが、議員定数削減と政治とカネの問題を含むいくつか重要な点で溝が埋まらないとされています。とはいえ、吉村共同代表は総合的に判断するとしているので連立入りするかどうかは別として首相指名の選挙では高市氏に投票するのではないかと思います。

高市早苗氏インスタグラムより

そうなると過半数まであと2票なので無所属やN党あたりの小さな政党を潰していくことでカツカツの過半数には達することが出来そうです。国民の玉木氏が煮え切らない理由の一つに連合を敵に回せないこと、それと国民民主が玉木商店、榛葉番頭のイメージが強すぎるのが災いしています。ただ、それは連立政権に加わるかどうかの話で首相指名選挙はもう少し自由度があるとみています。少なくとも玉木氏の態度からは野田氏より高市氏を推しそうです。玉木氏が首相になるにはご本人の心の準備も戦略も何もできておらず、瓢箪から駒のような話では日本の将来は不安いっぱいになります。

今回のドタバタ劇が始まった時、本ブログで玉木氏が首相になったら機能しないという趣旨のことを申し上げました。今、目先の候補で日本の首相としてふさわしいのは高市氏しかいないと断言してよいでしょう。首相就任後はいばらの道の始まりだと思いますが、高市氏は思った以上に丁寧な説明と手抜きしない努力家に見えるので案外、高市氏に距離感を持っていた与野党の政治家たちも見直す機運が出てくる可能性もありそうです。せっかくガラスの天井にバリバリひびが入っているのですからこのままぶち抜いてもらいたいものです。

我々は追い付けるのか、加速する便利さと時代の変化

私が20代であれば新しいことに敏感で飛びついているでしょう。しかし、今の若者にすら全方位から押し寄せるテクノロジーに驚愕し、変化のスピードに圧倒されていないでしょうか?コンビニではローソンがレジに立ち寄らなくてもよいウォークスルー型の実証実験を進め、トヨタはウーブンシティという新しい街づくりをします。バスの自動運転の実験運航も日本各地で進み、そのうち、自家用車という発想は無くなるのかもしれません。山手線の自動運転も視野に入りました。

ステーブルコインもいよいよ本格化し、メガバンク3社が共同で発行し、今年にもスタートします。99%の人はステーブルコインとデジタル通貨の違いが分からないけれどなんだかそれで払うらしい、ということになるのでしょう。ステーブルコインはデジタルプラットフォーム決済(PayPayなど)ができた時と同様、今年から来年にかけ、雨後の筍のように参入業者が増え、使う人や商店側の都合は一切無視で「ニューテクノロジー」の押しつけが進みます。

東京の家の近くの大手スーパーが最近全面改装したのを見て驚いたのはレジ係は一人だけ。あとは全部セルフレジ。お年寄りは「これはサービスの低下ね」とプンプン丸で、どれだけ長い行列が出来ようと「OKスーパーなら人がやってくれるから安心だわ」。私がレイアウトをみてほうと思ったのは出来合い総菜をレジそばのエリアに大きな売り場を確保し、自分で野菜や肉を買う人は地下の売り場にどうぞとなっています。ニンジンやサンマを売るよりも焼いたサンマにカット野菜、野菜の煮つけにした方が単価は上がり、利益率も高く、無駄も少ないということでしょう。冷凍食品コーナーは以前に比べざっと2倍になりました。ご自宅の冷蔵庫にキャベツとかひき肉がある時代は終わったのでしょうか?

後記
先週アメリカにいた時の食生活は貧しかったというか、外食してもバカバカしいほど高くてまずくてコンビニでパンでも買ってかじっている方がまだましという状況でした。バンクーバーに戻り中華料理屋に行けばカナダの感謝祭の日でも白人が団体やグループで店を占拠しているではありませんか?ついにカナダ人もターキーよりも中華を選ぶようになったのかと錯覚するほどでした。正直いうとバンクーバーで旨くてリーズナブルな外食は中華ぐらいで日本食はそれなりの品質を求めればお気軽とはいえない価格帯。洋食はフレンチとかイタリアンでもハズレが多くなり、これなら家で旨そうな肉を焼いて品のよいワインのボトルを開けたほうが安くつく状態です。北米の外食産業もなかなか厳しい状況にあるように感じます。

では今日はこのぐらい。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年10月18日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。