ロイター通信によると、米メタ(旧フェイスブック)は、2024年の年間売上高の約1割にあたる160億ドル(約2兆4500億円)が、詐欺広告や販売禁止品の広告など不正広告による収益だったと「予測」していたことが分かった。
これは、世界最大のSNSプラットフォームで不正行為が蔓延し、その被害によって多額の収益を生んでいる実態が浮き彫りになった。
- メタは自社システムに対する内部評価として、2024年に約160億ドル(売上の1割)相当が「不正または不適切な広告」から発生すると予測。
- 詐欺広告の中には、著名人を詐称する投資詐欺や偽ブランド品の販売など、各国で社会問題化している事例が多数含まれる。
- 把握していながら不正対策が不十分だったと指摘され、日本を含む各国では法的責任や企業倫理が問われる可能性もある。
- AIや顔認証技術を活用すれば詐欺広告の検出・排除が「十分可能」との専門家意見にもかかわらず、メタは「広告収益優先」で対策を後回しにしたとの批判が噴出。
- メタの広告を利用する企業にも倫理的責任を問う声が高まっている。
この問題については「自覚的に犯罪を助長している」との強い非難も国内外で相次いでいる。ユーザーの通報にもかかわらず広告を放置する運用姿勢は、被害拡大を助長し、社会的信頼を損なっているとの指摘が相次いでいる。詐欺広告が増加する中、すでに複数の国で訴訟や規制強化の動きが進んでいる。
マーク・ザッカーバーグ氏インスタグラムより
SNS広告が企業の売上に直結する一方、プラットフォーム側の怠慢が被害を深刻化させている現状がある。「ネット広告の自由」は「法の無法地帯」を許容する理由にはならず、メタ社の信頼回復には大幅な改善と責任ある対応が不可欠だろう。