柔道整復師への保険適用問題。医療・介護・リハビリの線引きを再整理を

多くの方がご指摘の通り、柔道整復師の保険は本来「骨折・脱臼・打撲・捻挫などのケガ」だけが対象です。

ところが現実には、肩こり・腰痛・疲労回復といった慢性疾患やマッサージ目的にまで保険が使われているケースが散見されると言われています。

・医師の診断なしで保険が使える特例制度
・患者が請求内容を確認できない委任方式
・慢性疾患を“捻挫”などと偽る水増し請求

こうした構造が、不正やモラルハザードを生み出しているという声が絶えません。

実際に、保険者による返還命令や不正請求の摘発事例も後を絶たず、国民医療費の適正化という観点からも看過できない問題です。

私は、厚労省が進めている保険適用の厳格化はもちろんのこと、柔整師の施術に保険を適用すること自体の是非から見直し・議論をするべきだと個人的には考えています。

いきなり全廃というのは現実的ではありませんが、段階的に縮小していく方向は十分に考えられます。

これは私が「医療維新」構想を策定した際にも、実は一部で議論をしました。

ただし当時は「そこまで最初から戦線を拡大して闘う政治的リソースがない」という点もあり、見送られた経緯があります。

それでもなお、医療財政の健全化と制度の公平性という観点から、今後避けて通れないテーマだと感じています。

加えて、整形外科におけるリハビリの過剰適用や、訪問マッサージへの保険適用についても同様の問題が指摘されています。

いずれも本来の医療目的を超えた利用や、保険財政を圧迫する構造を放置してはなりません。

医療・介護・リハビリの線引きを再整理し、限られた公的保険財源を本当に必要な治療・支援に集中させる改革が求められています。

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編集部より:この記事は、前参議院議員・音喜多駿氏のブログ2025年11月11日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。