黒坂岳央です。
筆者は長年、ずっと無料の楽天カードを愛用してきた。だが、今年10月からふるさと納税でポイントがつかなくなったことを機に、クレカの見直しをした。
これまでクレカにむとんちゃくでずっと楽天カードだけを使っていたが、世の中には「年会費を支払ってでも年会費の元を取れるクレカ」がたくさんあることを知った。
調べるを進めるにつれ、「決済なしでも年会費の元を取れてしまうコスパ爆発のクレカ」の存在を知るに至り、さっそくサブカードとして契約した(メインは別のアメックスカード)。
一体、そのクレカとは何か?「ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード(以下プレミアムカード)」である。
※本記事は個人的におすすめのクレカ紹介をするもので、PR記事ではない。紹介料の発生するリンクなども一切なし。

Muharrem huner/iStock
ヒルトン・アメックスカードは2種類ある
まず前提として、このカードには「一般カード(年会費1万6500円)」と「プレミアムカード(年会費6万6000円)」の2種類が存在する。
一般的な感覚からすれば、クレカに年会費1万6500円を支払うことですら躊躇するだろう。ましてやプレミアムカードの6万6000円など、「そんなに高額で元が取れるのか!?」と思われるかもしれない。
このカードはプレミアムと名前がついているだけあって、基本的にはある程度の高額決済をすることが前提で、特典が得られるようになっている。だが、今回は高額決済を想定しない人にも後者をおすすめできる。
理由は単純明快、プレミアムカードの方が圧倒的に「実質コスト」が安く、リターンが大きい場合があるからだ。
年会費は「高級ホテル宿泊」で元を取る
なぜ6万6000円もの年会費でも「コスパがいい」と言えるのか?その最大の理由は、カードを継続することで付与される「ウィークエンド無料宿泊特典」にある。
この特典の破壊力は凄まじい。対象外となるホテルはごく一部を除きほとんどなく、世界中のヒルトンポートフォリオ内のホテルに宿泊可能だ。特筆すべきは、その名の通り「金・土・日」の週末宿泊に利用できる点である。
ホテル宿泊費は需給バランスで決まるため、週末の価格は高騰する。例えば、「ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts」や「コンラッド東京」「旧軽井沢KIKYOキュリオ・コレクションbyヒルトン」といったラグジュアリークラスのホテルは、週末となれば1泊10万円を超え、時には20万円に迫ることも珍しくない。
ここに価格の歪みが生まれる。 すなわち、「6万6000円の年会費を支払うことで、市場価格10万円以上の宿泊権利を手に入れる」という図式だ。この時点で、年会費の元が取れるどころか、数万円のプラス収支が確定する。
自動付与の「ゴールドステータス」
さらに、プレミアムカード保有者には無条件で「ヒルトン・オナーズ・ゴールドステータス」が付与される。通常、このステータスを獲得するには年間40泊などの厳しい条件をクリアしなければならないが、カードを持つだけでその修行が免除されるのだ。
ゴールドステータスの恩恵で最も実利が大きいのが「朝食無料サービス(2名分)」である。 ラグジュアリーホテルの朝食は、1名あたり5000円〜6000円程度が相場だ。2名で利用すれば、これだけで1万円以上の価値がある。
また、当日の空室状況によるが、部屋のアップグレードも期待できる。一番安いスタンダードルームを予約(あるいは無料宿泊特典で利用)しても、高層階や広い部屋に案内される可能性があるのだ。
この時点で、「年1回ヒルトンの6万6000円以上の部屋に泊まる」という人は全員得をする。
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ただし、このロジックが成立するのは「年に1回以上、ヒルトンの高価格帯ホテル(1泊6万円以上)に泊まる意思がある人」に限られる。ビジネスホテルで十分という層や、旅行に全く行かない層にとっては、単なるコスト高になる。
しかし、たまの休日に日常を忘れてラグジュアリーな体験をしたいと願うのであれば、これほど合理的な選択肢は他にないだろう。筆者がメインカードとは別に「サブカード」として本クレカを選んだ理由はここにある。
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