犬を飼うといい人に「見える」のではなく、いい人に「なる」

今年の春にやってきたワンコのピノくん(写真)はSNSで写真や動画をアップしたこともあってすっかり人気者です。イベントや会食でお会いした方から「ワンコ生活」についてのコメントをいただくことが多くなりました。

ワンコ自体の写真が可愛い、癒されるといったコメントだけではなく、「内藤さんの顔が柔和になった」「いい人に見える」と言われることもあります。中には「いい人キャラを演出するためのマーケティング」ではないかと穿ったコメントをする人までいます。

確かに動物好きというのは気持ちの優しい「いい人」に見えることは事実です。ワインバーで高級ワインを飲んだり、高級車を乗り回すドヤ顔投稿よりも犬や猫のようなペットと一緒の写真の方がほっこりして好感が持てます。

しかし、実際に犬を飼ってみてわかったことは、犬を飼うといい人に「見える」のではなく、実際にいい人に「なる」ということです。

子犬は本当に手がかかってお世話が大変です。おしっこやう〇ちを部屋にまき散らしたり、家の壁やフローリングを破壊したりするのは日常茶飯事です。

壁だけではなくベッドのシーツとマットレスも既に破壊されていますが、今週は寝室にあった空気清浄機のコンセントを食いちぎってしまいました。電源が入っていなかったので感電しなかったのが不幸中の幸いでしたが、コードが切れて使い物にならなくなり粗大ごみになってしまいました。

これが人間の仕業であれば、壊した相手を叱るところですが、ワンコには罪はありません。

破壊活動が終わってから無邪気にすり寄ってくるのを見ると、怒る気にならないというか、悪いのは空気清浄機のコードをかじった犬ではなく、そこに空気清浄機を置いていた自分ではないかとさえ思えてくるのです。

このようにペットとの日々の生活の中で「寛容と忍耐」を経験する。毎日が人間修行のようなものです。

そんな毎日を過ごしていると大抵のトラブルでは心が乱れないようになります。平安な気持ちが続くようになると表情が柔和になっていく。

これがペットが作り出す「いい人ループ」です。

いつも無邪気に全力で頼ってくるのを見ると、何とかしてあげたいと思ってしまう。1年前には想像だにしなかった何とも不思議なワンコとのご縁です。

Pinkypills/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年12月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。