衆議院冒頭解散の勝ち目:自民党は本当に勝てるのか?

メディアを一通り見る限り、与野党からは「大儀なき解散総選挙」というのがトーン。というより競馬風で言えば「いつかは解散するわけだったけれどまさか、26年度予算を通す前の冒頭解散は大穴」で準備も何もあったもんじゃないとぼやく議員たちの怨嗟の声と言ったほうが良いのでしょう。

もちろん私も含め国民はそんな議員らの苦悩は知っちゃこっちゃないわけで政局の行方の予想に花が咲きそうです。そりゃ私だって居酒屋で口泡を飛ばしてあぁでもない、こうでもないとやってみたいものです。残念ながらバンクーバーでそんな議論をしたい人は誰もいないので私にとっては夢物語と化すのですが。

読売新聞の報道は結局のところ、スクープだったわけですが、なぜ読売だったのか、たぶん、リークした高官にとっては扱いやすいメディアだったのでしょう。他の大手メディアのトーンは比較的高市氏に冷たい気がしています。私は産経もお金を払って購読していますが、このところのトーンは昔のもろ手を挙げて保守という感じではありません。日経はアンチ高市氏とまでは言わなくとも、結構クールで近年の傾向である中道左派的というか、穏健というか、弱腰トーンが目立ちます。記者の体質なのか、社の方針なのかわかりません。

本件については嫌というほど報道されているので私の気になるポイントだけをピックアップします。

高市首相 自民党HPより

1. 自民党は本当に勝てるのか?

今回、自民党が勝つというのは2段階あり、ベストは単独過半数です。つまり233議席。現在199議席ですから34議席積み上げる必要があります。これなら大勝と言ってよいでしょう。もう1段階低い目標としては維新と併せて十分余裕のある250議席程度なら一応、勝ちですが、大勝とは言えず、何のための選挙だったの、と言われなくはないでしょう。では自民党が今より20-34議席、上乗せできるかと言えば今の段階では何の資料もないのでコメントできません。但し、前回公明と与党を組むということで自民に票が流れた部分もあること、自民党の支持率は高市政権になってからもほとんど変わっていないことを考えると私は議席大幅上乗せは結構厳しいかなという気はします。

2. 立憲と公明は本当に手を組むのか?

統一名簿にするか、新党にするか最終議論を進めているようです。これは面白い取組だと思いますが、公明党の支持者ってもともと与党慣れしていて比較的中道右派的な方が多いと思っていたのに斉藤代表の一存で右から左にブレることを党員や支持層が許すのかな、と思うのです。なんだかとても不思議な党だと思います。斉藤氏以外に顔が見えてこないのもこの党の特徴です。

では立憲がなぜ公明と一蓮托生に賭けるのか、これは立憲の焦りとしか思えません。立憲が高市政権に対抗できる切り札がほとんどないように感じるのです。よって私から見ればこの2つの党が手を組めば弱い者同士になるので自民を利すると思います。

3. 高市氏の解散の大義、パートナーが変わったから、は理由になるか?

ならないですよね。これはもうこじつけ。では仮にこの先、国民民主が与党入りしたらまた解散するのでしょうか?これは自民党内の問題なのです。高市氏になって公明が外れ、維新が加わったことが党員や自民支持層に承認されたか、そこを問えばよいだけであって、わざわざ衆議院を解散する理由にはなりません。では本当の理由は何でしょうか?

私は対中国問題かな、と思っています。高市氏は緩和型財政にすることは総裁選前から分かっていたので、これにはサプライズはありません。首相になって最大の番狂わせは中国問題だったと思うのです。沈黙を貫いていますが、選挙を通じて「私の対中国の姿勢は正しかった」ということを確認するためではないかと思うのです。

4. 高市推し活内閣

政権支持率だけ見れば小泉純一郎氏政権の80%という支持率にほぼ並ぶ勢いで類似していると思います。ただ、これ以上支持率が上がることは通常ではありえません。そして小泉氏と高市氏は共に個人人気が支持率を押し上げており、何が何でも高市!(小泉!)という推し活内閣だとみています。小泉氏の時は推し活という言葉はなく、奥様方の「絶対、小泉さんよねぇ💛」が今でも頭をよぎります。今回は若者が本当の推し活をしている点が特徴的ですが、若者の人気は直ぐに剥離しやすい点は要注意なのかもしれません。

私は高市さんより片山さんの手腕を見てみたいというのが本音で、まずはこの円安をどうする気か、そして緩和財政が実は国内経済を活性化させ、税収ウハウハになるウルトラCとなるのか、多分、サナエよりサツキの手腕のほうが興味も影響力も大きいように感じます。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年1月15日の記事より転載させていただきました。

アバター画像
会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。