出版は変わるのか? きずな出版コンテストが投じる小さな改革

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きずな出版が昨年に引き続き、2回目となる出版コンテストを開催する。

昨年グランプリを受賞したシムラアキコさんは、先月『自己肯定感は「着物」で上がる!』を無事に上梓し、出版コンテストが「夢で終わらない」ことを証明してみせた。

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他にも、きずな出版からは良著が立て続けに発刊されており、本欄でも紹介してきた。

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ビジネス書、実用書の分野では明らかに攻めに転じている出版社である。昨年の取り組みで得た知見を活かし、今年はさらに洗練されたコンテストへと進化している。

今年のテーマは「新時代の生き方」

2026年の応募テーマは「新時代の生き方」である。AI、働き方、家族、健康、お金、人間関係、スピリチュアル、社会課題など、ジャンルは問わない。新しい価値観、新しい幸せのかたち、新しい働き方、新しい心の持ち方――時代の転換点にある今だからこそ、このテーマ設定には意義がある。

応募期間は1月20日から2月10日まで。グランプリ作品は3月4日の「きずな祭り2026」で発表され、きずな出版から正式に出版される。

今年の最も大きな変更点は、一般投票を廃止したことである。昨年の第1回では応募作品を公開し一般投票を行ったが、今回は企画書を非公開とし、きずな出版の二人社長である櫻井秀勲氏と岡村季子氏がすべての作品を直接審査する形式に変更された。

これは英断である。

昨年のコンテストでは、SNSを通じた投票依頼が過熱し、見ず知らずの人々に大量のDMが送られるという事態が発生した。「ありがとうございます」「感謝」という言葉が並べられながらも、その意識が微塵も感じられない「厚かましさ」満載のメッセージが飛び交ったのである。

また、フォロワー数の多い応募者が企画の質とは無関係に上位にランクインするケースも見られた。出版コンテストは文学賞とは異なり、出版社が作家候補を応援することが目的である。しかし、人気投票の要素が強くなりすぎると、本来評価されるべき企画力や文章力が埋もれてしまう危険性がある。

一般投票の廃止により、純粋に企画の独自性、新規性、読者に届く言葉か、一冊の書籍としての可能性、著者としての継続性や表現力が審査される。これこそが出版コンテストのあるべき姿ではないだろうか。

応募方法の多様化

もう一つの注目点は、応募の入口を2つ設けたことである。従来の企画書に加え、メディアプラットフォーム「note」の投稿でも応募が可能になった。企画の内容を審査してほしい方は企画書を、文章力や発信力を審査してほしい方はnoteの投稿を提出できる。どちらかが有利になることはなく、公平に審査されるという。

これは、出版経験のない人々にとって朗報である。企画書の書き方に不慣れな人でも、日頃から発信している文章で勝負できる道が開かれたのだ。

「選ばれて終わり」ではなく、「本として世に出るところまで伴走する」――これがきずな出版の出版コンテストの真髄である。昨年のグランプリ受賞者が実際に出版を実現したことが、その証左にほかならない。

出版コンテストは出版社にとって負荷になりやすいイベントである。それでも継続し、さらに進化させようとする姿勢に敬意を表したい。出版社と参加者の双方にエールを送りつつ、3月4日の「きずな祭り2026」でどのような作品がグランプリに輝くのか、期待を込めて見守りたいと思う。

尾藤克之(コラムニスト、著述家、作家)

■ お問い合わせ
きずなの出版コンテスト運営事務局([email protected]