給付金は「痛み止め」に過ぎない。物価高という病を治す唯一の処方箋

物価が高いから給付金を配ってほしい。

その気持ちは自然ですが、実はそれでは生活は楽になりません。

物価が高い時に国民にお金を配ると、物価はさらに上がります

なぜか?

「欲しい人」は増えるのに「売る物」は増えないから。

品物の奪い合いが激しくなるだけです。

根本的な解決には、もっと安く、もっとたくさん作れる力が必要です。

給付金が招く「値上げの悪循環」

具体的に想像してみてください。

人気のパンが100円で10個だけ売られています。みんな欲しがって取り合いです。

ここで政府が「みんなに100円ずつ配ります」と発表したらどうなるでしょう?

パンの数は10個のまま。

でもお金を持つ人が一気に増えました。

すると「私は120円出す」「じゃあ私は150円」と競り合いが始まります。

結局、パンは200円に値上がりして終わり。

これが「お金を配っても物価高は止まらない」仕組みです。

物価を本当に下げる3つの方法

では、どうすれば本当にパンが安くなるのか?

① 技術革新で供給を増やす
1日10個しか焼けないオーブンを、新しい技術で50個、100個焼けるようにする。供給が増えれば、競争は起きず値段は自然に下がります。

② 規制緩和で競争を生む
「パンはこの店でしか売ってはいけない」というルールを撤廃すれば、新しい店が参入して価格競争が始まります。

③ 関税を下げて輸入を増やす
「外国のパンには税金を上乗せする」という障壁をなくせば、安い商品が入ってきて国内の店も値下げせざるを得なくなります。

「痛み止め」ではなく「根治療法」を

つまり物価を下げるには「買いたい人を減らす」か「売る物を増やす」しかありません。

お金を配るのは前者の逆をやっている。後者こそが経済成長の本質です。

給付金は「痛み止め」にはなっても、物価高という病気そのものは治しません。

私たちが求めるべきは、目先の現金ではなく、もっと安く、もっとたくさん作れる技術と仕組みです。


編集部より:この記事は精神科医である東徹氏のnote 2026年1月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は東徹氏のnoteをご覧ください。