奨学金の金利急騰で私立大学のビジネスモデルは崩壊寸前か

金利上昇の影響により、大学生の奨学金の負担が重くなることが可視化され始めている。日本学生支援機構の有利子奨学金は「低金利の学費支援」という前提で広く利用されてきたが、高等教育と就業の関係そのものが揺らぐ中で、制度の意味も問われ始めている。

  • 有利子奨学金(第2種)の利率は、2022年3月の約0.4%から2026年1月には約2.5%へ急上昇し、上限3%に接近している。
  • 平均貸与額336万円の場合、返済総額は349万円→427万円に増え、約78万円の負担増となる。
  • 卒業時期が4年違うだけで返済額が大きく変わるなど、世代間格差が発生している。
  • 年間約60万人の利用者のうち6割が影響を受ける可能性がある。
  • 「教育なのに借金」「奨学金の金利は廃止すべき」といった声とともに、大学進学そのものへの疑問も広がっている。
  • AIの普及でホワイトカラー需要が縮小し、大卒プレミアムが低下していくため、上位大学以外の価値は揺らいでいる。
  • 他の先進国ように技能訓練へ回帰すべきという議論や、Fラン大学は縮小・職業学校化するべきとの指摘もある。
  • 今後も中国人留学生の減少が続けば私大の経営が成り立たず、大学の淘汰が進むという予測もある。

奨学金は本来、教育機会を広げる制度だったが、大学の価値そのものが変化する局面では「将来収入で回収できる前提」が崩れる可能性がある。金利上昇は単なる負担増ではなく、日本の大学制度と雇用構造が転換期にあることを示すシグナルになりつつある。

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