タイガー・ウッズの「DUI」と「青切符」

AlexRaths/iStock

報道各紙は28日、ゴルフのタイガー・ウッズがまた自動車事故を起こして逮捕されたことを報じた。『時事』には「呼気検査でアルコール反応は検出されなかったが、尿検査を拒否したという」とあり、『Hollywood Reporter Japan』は見出しを「『酒ゼロDUI』の真相とは?」とした。横転した車から自力で脱出し、幸い命に別状はないそうだ。

ウッズと言えば、かつて延べ683週(13年)も世界ランキング1位に君臨した男子ゴルフ界のレジェンド。つい先日も大谷の26年の副収入198億円が、ウッズの09年を上回りスポーツ界史上最高額を記録したとの記事で、インフレ調整後ではまだウッズが上回る、とあるのを読んだばかりだ。

因みに17年時点で、年俸や副収入を含めたアスリートの生涯収入をインフレ調整した金額では、マイケル・ジョーダン(バスケットボール)が41億5千万ドル(5930億円)でトップ、2位がウッズの27億9千万ドル(3990億円)、3位がクリスティアーノ・ロナルド(サッカー)の22億3千万ドル(3190億円)だそうだ。遠からず大谷も上位に顔を出すだろう。

そこで「DUI」のことになる。それは「Driving Under the Influence」の略で、類語の「DWI:Driving While Intoxicated」と共に、米国では飲酒・薬物運転を指し、某法律事務所のサイトにはカリフォルニア州の例が載っている。また、神奈川県警も「DUI」「DWI」を啓発する英文PDF2枚に、以下のように記している。

アルコールの影響下での運転(DUI)やアルコールに酔った状態での運転(DWI)は重大な犯罪であり、有罪判決を受けた場合、運転免許の取り消し、罰金、または懲役刑が科されます(注:拙訳)。

(Driving under the influence (DUI) of alcohol or driving while intoxicated (DWI) with alcohol is a serious offence resulting in a revocation of your driver’s license, a fine or an imprisonment if convicted)

神奈川県警がそうした英文サイトを設けているのは、同県に12の米軍施設があり、沖縄に次ぐ2番目の面積約1,739万㎡が県土の1%を占めるからだ。それらは先般トランプ大統領と高市総理が訪れた横須賀基地(第七艦隊拠点)や、厚木航空基地、在日米陸軍司令部のあるキャンプ座間などで、米海・陸軍の主要部隊が配備されている。

話を元に戻せば、そこでは「DUI」も「DWI」もほぼ同じ記述だ。が、字面から受ける印象では、「DUI」には「酒や薬物以外の『影響』によって運転を誤る」ニュアンスが含まれるように感じる。なぜそんなことを気にするかというと、「青切符」が念頭にあるからだ。

それはこの4月から自転車の交通違反に導入される「自転車の交通反則通告制度」の通称。警視庁のサイト「道路交通法の改正について(青切符についても含む)」に「酒気帯び運転及び幇助違反」と並んで記されている「ながらスマホ」は、まさに「酒や薬物以外の影響」に当て嵌まるのではなかろうか。

「ながらスマホ」の罰則は、「6月以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金」であり、かつ「交通の危険を生じさせた場合」は「1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金」だ。つまり、それは19年12月に強化された自動車の「ながらスマホ」の罰則とまったく同じになるのである。

また、「傘差し運転」や「イヤホンをつけて周りの音が聞こえない状態での運転」も「DUI」と言えまいか。それらも公安委員会遵守事項(法第71条第6号)違反となり、反則金5千円の対象となる(但し、イヤホンが利用者の耳を完全には塞いておらず、必要な音又は声が聞こえる場合は違反にならない)。

アシスト付の普及もあって、自転車は老若男女、特に子育て中のママには必須アイテムだ。目下はまだ自転車の走れる歩道が沢山ある。が、こうした「青切符」の導入によっても事故や事故まがいの事態が減らなければ、歩道走行の禁止もあり得よう。そうならぬよう、ルールに基づく安全走行を心掛けたい。

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