日本国債30年利回りが初めて4%超え:「国債バブル崩壊」の行き先

15日の東京債券市場で新発30年物国債利回りが発行開始以来初めて4%を超えた。世界的な金利上昇圧力の中で起きたこの動きは、長年続いた超低金利環境の正常化を象徴し、政府の巨額債務がもたらす財政負担が表面化し始めたことを示している。

米30年国債利回りも5.11%台まで上昇した。市場は再び金利上昇リスクに直面している。

  • 超低金利政策が長く続いた結果、国債残高が膨張しても利払い負担が抑えられ問題視されなかったが、日銀の政策正常化により長期金利が上昇し、政府はこれまでのツケを払わされる立場に置かれている。
  • 日本のインフレ率が3年半以上2%超で推移したことで、人々のインフレ期待がデフレ以前の水準に戻りつつあり、国債市場の正常化が進んでいる。
  • 10年国債利回りは2%台、30年物は4%超と、過去の低金利時代とは異なる水準に達した。政策金利が0.75%程度まで引き上げられた今、こうした金利上昇は不思議ではない。
  • 2026年度予算では利払い費が13兆円超と過去最大を更新しており、金利が1%上昇して横ばいとなれば、2034年度には利払い費が約3倍の34兆円規模に膨らむ可能性がある。これは消費税収に匹敵する負担増となる。
  • 高市政権の積極財政も警戒要因の一つだが、本質的には超低金利下での債務拡大がもたらした構造的な問題が顕在化した結果である。
  • ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長は決算説明会で日銀の利上げ遅れに「6月に0.25%上がる可能性はあるが遅すぎる、大いに不満だ。イライラする」と強い不満を表明した。

  • 同日に日銀が発表した4月の企業物価指数(速報値)前年同月比で4.9%と急上昇している。

  • 政府にとってはインフレと円安が円建て債務の実質負担を軽減する一方、預金者にはインフレ税として負担が転嫁される。外貨建て資産保有の観点からも、政府にインフレ継続のインセンティブがあるとの見方が強まっている。

日本は、過去3年間、まるでスローモーションの「リズ・トラス」爆発のような状況に陥っている。それは、通貨が下落する一方で利回りが上昇するというものだ。日本は、中央銀行を使って利回りを人為的に抑え込むことが何の役にも立たないということを、最もよく示す例である。結局のところ、危機に陥ってしまうのだ。

世界の債券市場はインフレ再燃と財政リスクに直面し、日本も低金利時代の終焉を迎えている。金利上昇が続けば政府の利払い負担が急拡大し、家計や企業への影響も避けられない。この正常化過程で、政府・日銀は中央銀行の独立性を守りながら持続可能な財政運営をどう実現するかが問われる局面だ。6月日銀会合の動向が注目される。

令和7年11月18日 首相官邸で日本銀行の植田和男総裁と会談を行う高市首相 首相官邸HPより

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント